初増「田」です。
雷光と夕立が稲の生長を約束してくれる一方、日光と降雨と化学肥料に恵まれて、すごい勢いで雑草も成長しています。
今頃になってもまだ雑草が生えている田んぼは、おわっています。
人の腰よりも高くなった稲の隙間に体をかがめて、稲の根を崩さないように雑草を根から抜くのは至難です。
秋には、稲と雑草をいり混ぜながら刈り入れ機を動かすことになるのでしょう。
....と、ヒト様の田んぼを見(=ブラウズし)ながら思います。
田んぼの一部だけ妙に生長がよかったり、その逆もあったりします。
それは田おこし・代掻き・肥料やりを均一にできなかったんだろうなぁ。
でも、隣の田んぼでには夕方になっても誰も現れません。
あそこの家は、いつ刈り入れをやるんだい? 今やらにゃあダメじゃねえか?
....と、ヒト様の噂をします。
地元の会合や地元の温泉で、お隣さん(田んぼ的な意味で)に会うと、
「おめえさんとこは、農薬が足りんのじゃねぇ?」
「したの田んぼは、去年も最後まで刈り入れしなんだけど、今年は大丈夫なのかぇ?田植えもおそかったなぇ?」
....と、寸評をいただいたりします。
田んぼは衆目にさらされています。(ワールドワイドでなく、集落ワイドで)
どの田んぼが、どこの家のものか、ご近所には知れ渡っています。
なおかつ、ご近所さまは同業者(=農業)です。仕事の進捗具合は直感的に分かります。
「あそこの田は、ばあさんだけでやるもんで、全然手がまわらんなぇ」
「あそこは、息子も嫁もぜんぜん手伝いに来んじゃねえか」
....情報交換(=知の共有)も皆さんご熱心です。
「お前さんとこはいつ刈るだい?」
「わしゃ、再来週やらず(やろう)と思ってるけぇど」
「みんな、来週にはやっちまうって言うに」
「あれ、そうかね。そのほうがいいかねぇ」
....恐いです。仕事の手抜きや熱心さ、出退勤(田んぼにいつ来ていつ帰ったか)もチェックされています。
....私もチェックされていますが、私もご近所さんをチェックしています。