2008-04-11

マッチョ売りの少女

むかしむかし、ヨーロッパクリスマスの日。

雪の降る、とても寒い路地で、

マッチョを売る、貧しい少女がいました。

マッチョマッチョはいりませんか?」

しかし、マッチョはなかなか売れません。

深々と降る雪は、だんだんと少女の体温を

奪っていきました。

「さむいなぁ・・そうだ、マッチョに火を

 灯して、あったまろう」

少女は、マッチョを一体取り出しました。

するとマッチョは、ものすごい勢いで

腹筋を始めました。

はちきれんばかりの肉体を、惜しげもなく

振りまくマッチョ。ほとばしる肉汁は、

マッチョの腹筋運動の起こす熱で、蒸気に

かわりました。

すると、マッチョの起こした蒸気の中から、

暖かくて美味しそうなご馳走が浮かんで

くるではありませんか。

けれど、マッチョ燃え尽きたため、ご馳走は

すぐに消えてしまいました。

少女は調子に乗って、全てのマッチョに火を灯しました。

すると、ありったけのマッチョ達は、思い思いの筋トレを始めました。

「腕立て」「スクワット」「懸垂」「背筋」「ブルワーカ」「エアウォーカー

「アブフレックス」等、様々筋トレ模様が、繰り広げられました。

ヨーロッパのとある国の、とある町の、とある路地は、肉体美の集大成である、

マッチョ達の異様な雰囲気に包まれていきました。

ほどなく、ありったけのマッチョ達の、

汗・汗・汗が、蒸気に変わり、その中にたくさんのご馳走や、

亡くなったお婆ちゃんが写しだされました。

「ああ、おばあちゃん・・」

少女は、とても暑苦しい幻想の中に身をゆだねました。

翌朝、凍死してしまった可哀想な少女と、

約24体の燃え尽きたマッチョ達が、とても、

そう、とても安らかな顔で横たわっていました。

<おわり>

  • その赤頭巾は100人に1人くらいは大当たりして、 幸福になってしまうケースがあるから確実とは言えないな。 必ず不幸にならないと命題を満たせない。

  • ははw こういう話好き。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん