2008-03-11

どうせこの程度の人生、それが理想的な人生

完全自殺マニュアル』という本が売れたことがあった。

 たしか東大卒の男が、書いたものと記憶している。

 その中にこんな文章があった。

「あなたの人生はたぶん、地元の小・中学校に行って、

塾に通いつつ受験勉強をしてそれなりの高校大学に入って、

4年間ブラブラ遊んだあとどこかの会社に入社して、

男なら20代後半で結婚して翌年に子どもをつくって、

何回か異動や昇進をしてせいぜい部長クラスまで出世して、

60歳で定年退職して、その後10年か20年趣味を生かした生活を送って、死ぬ。

どうせこの程度のものだ。しかも絶望的なことに、

これがもっとも安心できる理想的な人生なんだ。」

鼻で笑いながらも、内心、衝撃を受けたのが忘れられない。

 禅僧一休は、

人生は 喰て寝て起きて糞たれて 子は親となる 子は親となる」

と、人生の実相を、えぐり出した。

 だからこそ、共感する人もいれば、反発する人もいよう。

 己の偽らざる姿とは、何と受け入れ難いものなのか。

 そこには、「絶望的であり、理想的な」人生が見える。

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