かなり迷っていた…
私は屁の音を無音化するのが得意なため、外にいる時はそれで過ごしてきた
しかしどこか部屋等の密室にいるときはヤバイ。無音化しても匂いは残る。かといってあまりに頻繁にトイレへ行きすぎて「女の子だもん☆色々あるんだよ☆」じゃすまなくなってきた今日この頃(そんな事言ってないけど)。
ていうか彼氏も屁をこいていない。
お前、こけよ。先にこけ!そしたら私もすぐに後を追うから。いやマジで。すぐフォローしてやるから、こけ!とか思ってたけど全然こかねえ。こけよ。こっちの肛門がジャストアウェイなんですけどマジで。
とか思ってたらある日彼と屁の話になった。
「俺あんまりでないタチなんだよね(笑)」
死ねよ。
何なの?さわやかに笑いやがって。マジでこいつ何?何その笑顔?ふざけんな!イケメン気取りか。この野郎。確かに好みの顔だ。畜生。
マジかよこいつ……まさかアイドルはうんこしない的なアレなの?
はっきり言って私はするよ?うんこ……とか考えてると本気でビックバンが到来しそうになった。
そしたらなんか急にムカついてきた。しかもなんで笑ってるのか分からない。歌番組じゃねーか!どこに笑う要素が?!
畜生が!この無屁族め。お気楽に過ごしやがってよ!見てろ!そのカッコイイ顔が私の屁の異臭によって歪むのももうすぐだ!
我がS家に代々伝わるこの匂いをとくと嗅ぐがいい。
もう無音化することすら忘れ私は屁をこいていた。
ブゥォッ!という音とともに一瞬遅れてやってくる異臭。私は慣れているため最早臭みなど感じないが、彼は相当に感じたはずである。
彼はテレビからこっちに顔を向けた。
ハハハ、貴様の朗らかなテレビタイムを邪魔してやったのはその通り私さ。さあ思う存分罵るがいい。この屁女王(クイーン)、何を言われようともはや覚悟済みよ……とか思ってたのに、奴、
「あはは!屁こいたー!」
何……だと……?!
な……何朗らかに笑ってやがる……こ……こいつ……
「クサイー」
うちわでこっちに風おこすなや!
扇風機ひっぱってきて奴の方へ屁風を送ると
「ちょwwwwwやめっwwww臭いというより寒いwwwwwwww」
とか言って、ひっついてきた。
ハァ!?何?!こいつ!?
何やってんの!?何で屁こいたばっかなのに抱きついてんの!?正気か?こいつ……余りの臭さに頭がイカれてしまったとでもいうのか……!?
「ひっついてればあったかいね☆」
「女子か!」思わず突っ込んだわ。怒涛の勢いで。
「アハハハハハ」
「ダメだこいつ……早くなんとかしないと……」
「嬉しくねぇー」
「アハハハハハ」
こちとら戦闘意欲満々でこの屁会見に臨んだんだよ!
「ってわからんだろそれ」
「アハハハハ」
何なんだよ!もう!もう!もう!もう!もう!
ちくしょーーーーーーーーーなんか負けた気分。白旗じゃい!
女は好きな男の前では大人しくて淑やかでいるっていうけど・・・ 本当なんだろうか?
米倉?