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一月ほど前、街でばったり古い友人Aに遭った。

連絡を絶ってからはもう10年以上経っている。

私が聞いてもいないのに、彼女は私と共通の知り合いの現況を喋り始めた。

B君は起業したとか、Cちゃんは実家に帰って家業を継いだらしいとか。

私は曖昧な笑みを浮かべて聞き流していたのだが、

彼女は私の一番聞きたくなかったことを口にした。

「それからさー、Dは結婚してもう2人も子供作ったんだよ？笑っちゃうよね、あいつが親になるなんて」

こころが凍りつく思いがした。

昔、自分がAやBやCと交流があったころ、DはAと付き合っていて、

しばらくしてから同棲を初めた。

同棲生活は5年以上続いたが、最後の方はかなりグダグダになって別れたらしい。

その時のことをまだ引きずっているのか、Aの口調にはDに対する恨み、のようなものがこもっている。

でも彼女は知らない。

二人が同棲を始める直前に、Dがわたしに手を出していたことを。

しかも口説いて手を出したんじゃない、

Bちゃんの家で5人ぐらいで雑魚寝していて、

早朝、寝ぼけているところを半ば無理矢理ヤられたんだ。口塞がれてね。

私が不眠と拒食と鬱になったのはそのせいなんだよ？

同棲で浮かれてたあなたは気付かなかったんだろうし、

私もあなたたちの顔見たくなくて、何もいえなかったけど。

「…じゃあ、元気でね。外に連れ待たせてるから。女の買い物には付き合いきれないって言うのよ」

そうか、あなたにも新しい彼氏ができたんだ。

家に帰って、缶チューハイで泣きながら睡眠薬流し込んで寝逃げした。

わたしはあれ以来他人の居る場所で眠ることができない。

男の人を好きになっても、相手と触れ合うことができない。

だからずっとひとりだ。

なんか死にたい。

Permalink | 記事への反応(5) | 20:48

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