2007-06-13

10年前の自分の怠惰

昔、所属していたサークルには、練習が遅くなると自分を含む女の子数人を先輩が車で順番に送る習慣があった。私はいつも最後だった。

その人は大先輩で、8年つきあってる彼女さんがいて、自分とは年が12歳も離れていたから、信用しきっていた。好きでも嫌いでもなかったしね。

で、うっかり眠ってしまい、気が着いたら車は知らない山の中に止められていて、まぁ要するに無理矢理やられてしまったんだ。私は当時18歳で処女だった。

それまでずっと「好きでもない人とセックスするのなんか信じられない!初めては本当に好きな人とする!」と言い張っていたし、本当にそう思っていたのに、その時は頭の中が麻痺したような感じになって「早く終わらないかな」とか考えていた。

抵抗したけれど力では全く敵わず、「ここであまり騒いで殺されたくない」「寝てしまった自分が悪い」「今、車から降りてもここがどこか分からないから帰れない」という自分でも信じられないぐらいの冷静さ。

コトが終わってから家まで送ってもらう間、一言も口をきかず無言で車を降りた。部屋でぼーっとしたまま一夜明けて翌朝、その先輩から機嫌をうかがうような電話がかかってきた。ここで罵倒すれば良かったんだけど、麻痺しっぱなしだったんで、まったくいつもどおりのテンションで「おはようございまーす!次の練習ですけどー」ってスルーしてしまった。何で?と思うけどスルーしてしまった。それからスルーしたまんま、誰にも言わず、練習で顔を合わせても何もせず、1週間後にサークルを辞めて実家に帰った。

自分がこれほどまでに貞操観念が薄い人間だったことに驚いた。なんで抵抗しなかったのか、なんで罵倒しなかったのか、なんで弾劾しなかったのか、今でも分からない。何もなかった、と思いたかったのかもしれない。

それから10年、何度か恋人が出来たけれど、少しでも私が嫌な時にセックスを無理強いするようなことがあれば、すぐに別れるということを繰り返した。「穴さえあれば誰でもいいんじゃないか」と、一気に冷めてしまって、恋人を最後まで信用しきれなくなった。

私は心の貧しい、捻くれた人間だ。私にしたい時としたくない時があるのと同じように、恋人にだってしたい時としたくない時がある。それが完璧にかみ合うことなんて絶対ないのに、あっさり切り捨てた。10年前、決着をつけなかった自分の怠惰のツケを、ずっと払わされているような気がする。

もういい年なんだし、そろそろ何とかしなくちゃなあということで、10年で初めて人に言ってみたよ。こんなことに増田を使ってすみません。

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