2007-01-13

わっふる1

 二日酔いにはならないだろうけどいつもより飲み過ぎたかと反省しながら、寝静まりつつある冬の住宅地の近道を選んで地下鉄駅へ歩いていると、後ろからS子の声がした。振り返り、忘れ物でも届けてくれるのかと僕は彼女を見ていた。彼女はそのまま僕に抱きついた。

 小柄なS子は何か訴えるように僕を見つめそして目をつぶった。けっこうかわいいじゃん。僕は事態に戸惑いながらキスし、強く抱きしめ返した。セックスしようよとS子は少しばかり枯れたような声で言った。僕は彼女うなじを撫で上げるようにキスすることでイエスの代わりにした。ペニスがつっぱった。

 恋人みたいに黙って手をつないで歩きながら地下鉄駅に入り、じっと電車が来るのを待った。彼女は黙っていたけど悲しそうでもヤケでもないみたいだった。発情しているのでもないのだろう。昔のフランス映画のシーンみたいだ。彼女は僕の視線に気が付いて悪戯っぽく少し笑った。

 ラブホテルに入るくらいのお金残っていたっけ。カードで払えばいいんじゃないか。普通ホテルに新婚みたいなふりしていけばいいか。S子と僕が新婚。そういう展開でも未来でもいいか。セックスなんてもう何年してないだろう。

 ツインの部屋に入り、彼女を立たせたまま僕は蜜柑の皮を剥くようにゆっくりと彼女を裸にした。ブラを取るとむせるような柔らかい乳房があった。乳首は少し沈んでいたので吸ってみた。ふふっと彼女は笑った。それからパンティを降ろした。陰毛はけっこう薄毛なんだ。シダ葉の模様みたいだった。頬を擦り寄せると暖かくていい臭いがした。最後に靴と靴下を脱がした。僕は男子着替え室にでもいるような感じで着ている物を脱ぎ捨てながら、彼女が普段のジーンズを履いてなかったことに気が付いた。

 セックスってどうやるんだったっけ。どこからやるんだっけ。ぼんやりしていると彼女はしゃがんでつっぱていたペニスの先にキスした。それから二度くらい舐め回した後、立ち上がって僕を抱いた。背中に彼女の手が冷たく感じられてぴくっとした。

 ベッドに入って、僕は彼女の閉じた脚の根本にある割れ目を擦り上げるようにキスした。それからクリトリスのある辺りに舌を入れると彼女は僕の頭を掴んで、最初、キス、いっぱい、しよう、と言った。そうした。愛しているみたいだと思った。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん