2013-02-01

AKB48恋愛禁止条例をやめるべきたったひとつの理由

AKB峯岸みなみが、恋愛禁止条例を破ったせいで丸坊主になりました。(参照]

しかし、20歳の女の子奴隷みたいに自分の髪を切り落とす事態をみても、一部のファンは「よくやった(by小林よしのり)」「非処女ビッチ!」「ざまぁ」「自業自得」「ルールを破ったんだから、このくらい当然」と言っている人すらいます

若い女の子が髪を切り落とさざるを得ない性質の悪い体罰じみた状況は、明らかに異常ですよね。なぜ彼女はそこまで追い詰められてしまったのか?長年のアイドルファン視点で解説します。彼女が髪を切り落とすのは『日本型のイジメ体質』のせいなどではありません。そうしなければ、ファンが彼女を許さないからです。


日本アイドルファンの中に「処女性を前提とした疑似恋愛の対象としてのアイドル」を求める気持ちがあります日本アイドルは、擬似恋愛の対象として成立してきました。だから、『恋愛禁止』はアイドルをする上で守らなければならないお約束だったのですね。実際、「恋愛しません」と宣言しているのに、「イケメンちんぽ!しゅきいい」と約束を破っているのですから、激烈に怒るファンがいるのは当然です。だから峯岸みなみは禊として髪を剃らざるを得なかったのです。それくらいアイドルファンの中にある処女信仰は根強い。


しかし、もう処女性を前提とした疑似恋愛の対象としてのアイドルは成立しなくなってしまっているのではないでしょうか?時代が変化し、「恋愛しません」というフィクションには限界がきている。AKB48は、既に賞味期限の切れている疑似恋愛というフィクションを守ろうとするあまり秋元康以外の全員が不幸になっています


かつてのアイドルも「恋愛禁止」を破っていた

かつてのアイドルは「恋愛禁止」のお約束が成立していました。アイドル処女性を持ったみんなの恋人だったのです。


でも、実情はどうだったか

当時のアイドルたちが大人になってから書いたエッセイ・回顧録・暴露本を読むと、「堕胎して死んだ赤ん坊を持ち歩いていた」「忙しいスケジュールの間をぬって、逢瀬を重ねていた」「同期の男性アイドル関係があった」と書かれています


まり恋愛禁止は昔も守られていなかったのです。考えてみれば当たり前のことです。アイドルになるような積極的な女の子恋愛を禁止するなんて、どだいできるわけがいからです。そもそも、秋元康自体が恋愛禁止を掲げながら、高井麻巳子を喰ってるしな!


ただ、昔はその嘘がつき通せた。裏切りが露見しなかった。


携帯カメラを持っている一般人なんていない。秘密を知っている友人がいてもTwitterに書き込めなかった。芸能人のものの人数が少なかったから、事務所コントロールできた。処女性を前提としたアイドルは、過去から成立し得た一過性の徒花だったのです。


嘘の難易度が跳ね上がった

ところが、現代では、「恋愛禁止」の嘘を突き通すのは並大抵のことではありません。


一億人が高解像度カメラを持ち歩き、死角はどこにもない。男性遍歴を知るかつての友人がTwitterでリークし、一瞬で拡散されてしまう。アイドルになってから恋愛禁止を守ろうとしても、過去プリクラ・ハメ撮り・書き込みをすべて消去することはできない。アイドルになる前に、アイドルとして殺されてしまう。


まり、いくら嘘をつき通そうとしも「処女性を前提とした疑似恋愛の対象としてのアイドル」というフィクションは成り立たなくなってしまっているのです。 


恋愛禁止」を望むファンは、好きな女の子の不幸を望んでいる 

このように、「みんなの恋人アイドルは成立しなくなってしまっています賞味期限が切れて腐臭を放つフィクションをかたくなに守らせようとすると、どうなるか?


小林よしのりのように(参照)恋愛禁止を求め、アイドル処女性を強要するファンは、ファンでありながら、好きな女の子の不幸を望むことになります


まず、年頃の女の子にとって「好きな人と恋に落ちる」のは普遍的な感情です。おそらく止めようとしても止められるものではありません。昔も今も守られてきていないのですからアイドルだって人間から好きな人とご飯が食べたい、一緒に歩きたい、その先も進みたいでしょう。


疑似恋愛を求め、処女性を強要し、思春期女の子恋愛禁止を望むのは、要するに「人間たるな。アイドルを演じる奴隷たれ」といっているのと同じです。それは「疑似恋愛に酔いたい」という自分の欲望のために、彼女たちに、日本国憲法ではありえない自己犠牲強要しているのです。

好きな女の子が夢を諦めたり、髪を切り落とさざるを得なくなる「条例」に何も感じないのは、ファンとはいえません。その約束はもう守れない時代になっているのです。


疑似恋愛を求めるファンは絶対に幸せになれない

さらに、疑似恋愛型ファンは、ファン自身も絶対に幸せになれません。


まず、どんなに入れ込んでも、握手に通いつめても付き合えません。自分でも付き合えるなんて思ってないでしょ?(指原みたいな例外はあるが)アイドルはむしろ恋愛に積極的な部類の人間です。約束を守っているように見えているだけで、たいていは約束をやぶっている。だから、嘘に気がついた時に疑似恋愛を求めるファンは傷つくだけです。魔法は必ず解けます。なら、最初から恋愛の対象として考えない方が、幸せなのではないでしょうか?


恋愛しない可愛い女の子」というフィクションには必ず終わりがきて、ショックをうけるだけです。


疑似恋愛を抜きにしたアイドルは成立する

「疑似恋愛アイドルには限界がきているから、やめるべき」というと、「歌も上手くないし、ダンス微妙。顔もそこそこの子が売れるには、処女幻想、疑似恋愛幻想って付加価値がないとダメなんじゃないの?」との反論があるかもしれません。


しかし、現に疑似恋愛を抜きにしてもアイドルは成立します。なぜなら、アイドルのファンは疑似恋愛を求めるファンだけではないからです。「頑張っている子を応援したい」気持ちでアイドルを好きになるファンはいくらでもいて、彼らの需要は非常に大きいのです。


実際、「応援したい」型のアイドル成功しつつあります

たとえば、Perfumeルックスはそれほどではないけれど、パフォーマンスの上手さ、楽曲の魅力、物語の魅力でファンを獲得しています

たとえば、ももいろクローバーZルックスもダンスもそれほどではなくても、「全力でカバーしている。(僕は今一番好きなアイドルです)

彼女たちの人気は、疑似恋愛を抜きにした「応援したい」需要で成立しています。 


実際、Perfumeの子たちにスキャンダルがあったときは、一部をのぞいてそれほど騒がれませんでした。人気も全く落ちていない。仮に、ももいろクローバースキャンダルが起きても「お…おう…」と若干の生臭さにひく人はいても、AKBのように激烈な反応は起きないはずです。


最近では勢いがあるのは「応援したい」型のアイドルです。なぜなら、老若男女の需要を取り込めるから。実際、私の家族は全員ももいろクローバーZのファンです。


AKBも変われる

からAKB恋愛禁止っていうもう時代遅れフィクションに拘泥するのはやめて、「頑張っている姿を応援したい」需要に特化していくべきです。


AKBには、百田夏菜子はるかにしのぐ運動能力を持つ子がいる。世界大会に出場するくらいのダンスの実力を持った子もいる。アーティストより歌が上手い子もいた。多様な個性を持つ彼女たちが、死ぬ気で夢に向かって頑張っている姿は、ファンを取り込む普遍的な力があります彼女たちの魅力をそのまま伝えていくべき。


疑似恋愛をやめても、「そこそこ可愛い子が死ぬ気で頑張っている」だけでアイドルは成立するのです。それこそ、SKE48はかなりももいろクローバーZに近いタイプの人気がある。


処女アイドル」という時代遅れ腐臭を放つフィクションに拘泥しても、関わっている全員が不幸になるだけ。彼女たちが『人間として』アイドルを続けられるように応援するのが真のファンではないでしょうか。


これからアイドルはどうするべきか?

疑似恋愛をやめてアイドルを成立させるにはどうすればいいか


まず、アイドル恋愛をしてもいいけど本気で隠して欲しい。隠して欲しいのは、生臭いから。できるだけ隠すように努力するべきです。芸能人専用の絶対にバレないラブホテルとか、芸能事務所合同でつくってほしい。トイレ暗証番号を押すと、扉が開いて、ホテルに入れるみたいな。


それでも、昔の友人の嫉妬でリークされたり、コンビニ強盗のような格好に変装をしているのにフライデーされることはあるでしょう。その時、ファンは「まぁ、しょうがないよね、女の子だし」と寛容になるべきです。「そのかわり、もっと頑張ってよね」でいいじゃないですか。処女性を押し付けるのはやめて、夢に向かって頑張っている女の子物語を楽しみましょうよ。


ファンが寛容になり、「恋愛をしてもいいよね」という風潮が生まれれば、秋元康だって恋愛禁止条例を取り下げるかもしれない。廃止しないまでも、ペナルティも軽くなるでしょう。カビの生えた「恋愛禁止条例」に拘泥して騒いでも、得をするのはスポーツ新聞秋元康だけ。ファンとアイドルは傷つくだけ。


恋愛禁止条例なんて守る必要はない、支持する意味もない。なぜか。

そもそも、秋元康自体が恋愛禁止を掲げながら、高井麻巳子を喰ってるからだよ!教祖けが破っていい掟の正当性なんてあるわけないだろ!


アイドルはそろそろ人間になっていいと思う。

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