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2009-07-24

山ちゃんのニコヨン日記

ワシの仕事はニコヨンや

ほんだら ワシのホンマの仕事を教えたろか

ワシの仕事はなあ 日記タイトルどおりニコヨンや

ニコヨンいうても わからんやろな ニコヨンいうたら土方のことや

スポーツ新聞求人欄で土工とか人夫とかで募集してるやろ あれや

昔はニコヨンいわれてたけどな 今では日給で12000円から14000円くらいやで

なんで 金に幅があるんかわな ピンハネの度合いや

直でやったら 13500円でも 飯場通したりすると12000円(ワンツー)とかになりよるんや

ワシらが やり始めたときは8000円とか9000円とか1万以下やったけどな

バブルの時に 一気に値上がりしよったんや

あの時は ホンマに景気がようてな とにかく人夫が足らんかったんや

そやから 手配師とか番頭があっちこっちから人間かき集めてきとったんや

それでも 足らんかったんやで実際

そういう時にも タコ部屋ができるときもあるんやけどな

(タコ部屋については またあとで 教えたるわな)

夜勤いうて 晩方から朝までの仕事やったら 日当は昼間の2倍くらいあるで

体力に自信があるもんは 通しでがんばってや ワシは堪忍やで

ニコヨン・・・

日雇労働者のこと 労務者

昭和24年 「緊急失業対策法」の施行により職安を通して日雇労働者を受け入れた

その定額日当が当時240円だったので そこからきている


始発でGO! センターをめざせ!

そういう仕事にどうやってありつけるか いうたらな

まず 最初にいうた 新聞求人欄で見つけることがあるわな

そやけど ワシらも含めて ほとんどの人間センターからの斡旋やな

センターいうたら 西成のあいりん総合センター環状線新今宮駅の近所

南海電車新今宮駅の下や 俗に言う釜ヶ崎やな 西成でも霞町でもエエで

そこで 窓口にはられた 求人の紙を見て選ぶんや

ほんで センターの横付けしとる ワンボックスマイクロに乗り込んで現場へ行くんや

(昔は 観光バス中古みたいなデカイバスも着てたけどな)

ワシらは センター通さんと 直でバスに乗り込むんやけどな

そのバスフロントガラスにも おんなじような 仕事内容の書いた紙が貼ったあるからな

現金日雇い)とか出張契約つまり泊まり)とかのな

それで 選んで乗り込むんや

バスに乗りこんで そのまま現場に行くんやないで

まずは その人夫出しのとこか飯場へ行くんや

(この人夫出しは「ニンプだシ」と「だ」にアクセントがあるんやで)

飯場についたら まず朝飯や 粗末なな

それから 現場の振り分けやな 10人ほどバスで連れてきても

全員同じ現場いうことはまずないで あそこは5人 あそこは2人とか

そうやって振り分けするわけや 飯場現場とは直接関係ないからな

人夫を斡旋するだけやから 人材派遣業になるんとちゃうかな

で またバスに乗りこんで現場に出発するんやで


ワシらのコスチューム

ワシらのかっこ言うたらな 昔はニッカーボッカーで地下足袋トレードマークやったけどな

今は普通の作業ズボンジャンパーやな これも季節によるけどな

絶対 半袖のシャツでは作業せんで なんでかいうたら 日焼けや これが 体力奪いよるんや

靴も一足580円くらいの スポーツシューズで マジソンバッグみたいなもんに

地下足袋長靴を持ってるくらいやな

(これはどんな現場にも対応できるようにや 通常=足袋 生コン等=長靴

最近の作業ズボンで文句言いたいのはな あの 足首までぶかぶかのズボン

ワシのは ちゃんと足元にまとわりつかんように ゲートルみたいになっとるやつやけど

あんなもん なんの意味があるんや 余計に危ないやないか

流行やろうけど 機能美が全然ないやないか ぶさいくなだけや 腹立つで


やります できます あんこです

仕事の内容いうたら いろいろあるで もちろん 建築関係がほとんどやけどな

まず ホンマの土方やな スコップもって穴ほったりするやつや

今時はユンボ(土すくう アームのついた機械や)があるさかい ユンボが使われへんとこ

つまり 隅とか いりくんだとことかの 穴掘りやな これが 汚れるんで いやがる人間もおるな

他には 解体屋の手伝いやな 解体屋が家とかビルとか壊しとるやろ

その手伝いとか その廃材を ダンプに載せる手伝いとかやな

あの 道路工事とかで見る ガガガガいうて 道路の穴開ける機械 チッパーいうねんけどな

それも やらされるで あれは 目にカスが飛んでくるからな 防護めがねは必需品やで

できれば 防塵マスクもやけど これは タオルで我慢やな

ここで ワシはエライ目に会うたで

箕面風呂屋の解体に行ったときに 柱を引き倒すから 柱の上にロープ結んで来てくれ

いわれてな 登ったんや 風呂屋は平屋やけど 屋根が高いんや

それに ほとんど壊し終わっとるから 登る足場もぐらぐらなんや

そんなとこに 登らせるないうねん ワシは鳶(とび)やないで

あとで 文句いうといたけどな


物事の本質を見抜け!

という具合にな ワシら土方はなんでもできる万能選手なんやで

それこそ 「大きなビルから小さな増築まで」や

実際 ええように使われてるだけやねんけどな

その分自由というもんがあるんや 働きたい時だけ働いて 休みたいときに休む 何者にも縛られへん 自由がな

ホンマはこれがあかんねんけどな これに浸かってしまうとな なかなか 一般人には戻られへんのや

しかし わかるやろか この感覚自分にあるすべてのしがらみからの開放

親や兄弟 妻 子 友人 近所 上司 同僚 得意先などなど 諸々の自分にとって大切であるからゆえのしがらみ

自分自分であるためのつながり こういう 一切のもんからの開放や

あるときは 自分を救ってくれたりしてくれるんやけど その反面 多大に自分を苦しめ 制約するもんや

完全な自己完結世界やな ある人は自由といい またあるひとは 負け犬のねぐらとも言うな

まあ 一遍 その世界から抜け出して見るのも ええかも知れんで

そうすることによって 自分のホンマに大切なもんが見つかるかもしれんしな

(全部が いらん いうこともあるかもな)

平々凡々と暮らしとったら 本質を見抜く目ぇが 雲ってしまうかも知れんのやな

当たり前と思ってることが なんでそうなんかが 分かるかも知れんで かもやで かも

そやから そこいらでゴロゴロしてるおっさん 見かけても 乞食 とは違ういうことを認識してや

(また 乞食には乞食ポリシーがあるのもおるからな 乞食とは違うということだけやで)

なれの果て と みるか 憧れの究極の自由人とみるかは それは勝手やけどな

 
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