はてなキーワード: 仮想的有能感とは
リンク先にあるレビューに目を通すくらいしてもバチは当たらないと思うんだけどなあ。なんでそんなに攻撃的なん?なんかのロールプレイ?
一応説明するけど、なぜhttp://anond.hatelabo.jp/20070313173100で本のリンクを張ったのか。
この本は、若者が幼児的で無根拠な「仮想的有能感」の下に他人を断罪する――「理由を述べろ」と言っても論理的に述べられないにも関わらず「軽蔑」などという言葉を吐くように――理由を分析している本です。読んでみれば、あなたの「中二病」的な発想のパターンだけではなく、「軽蔑しちゃうものはしょうがない」とわざわざパブリックな場に書き散らかしてしまうという行動のパターンも極めて凡庸、ありがち、みっともないものであることがよくわかるでしょう。
そしてさらに重要なのが、この本を読むと、この作者の批判がもっともでありながら、この作者自身も「他人を見下す」思考法の陥穽に落ち込んでいることがよくわかることなのです。まあ、ぶっちゃけていえば「バカっていった方がバカ」って奴ですね。
以上の二点から、二重の意味で(1.自分の物の見方を相対化する、2。そして相対化する身振り自体を相対化する)読むことをお薦めいたします。
そんなところで。
仮想的有能感みたいなものは、その先生の提案を待つまでもなく、教育心理学の世界ではむかしから人間が乗り越えるべき成長の段階のひとつとして考えられているものだと思うよ。ピアジェだったかな、たしか。
仮想的有能感――。昨年、約34万部を売り上げた「他人を見下す若者たち」の著者、名古屋大大学院の速水敏彦教授(教育心理学)の造語だ。
無意識に他人を見下すことで、「自分はエライ、有能だ」と思い込むことを意味する。
速水教授は「格差社会で負け組になりそうな人たちにとっては、生き抜くための最後のとりでなのかもしれません。でも、自分がだめだと認めたくないから、ささいなことでもすぐにキレる。自分に甘いけど、他人に厳しい。こんな現象が広がっている背景には、この仮想的有能感があるのでは」と指摘する。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/otokogokoro/fe_ot_07011001.htm
「他人を見下す若者たち」より
現代人は自分の体面を保つために、周囲の見知らぬ他者の能力や実力を、いとも簡単に否定する。世間の連中はつまらない奴らだ、とるに足らぬ奴らだという感覚をいつのまにか自分の身に染み込ませているように思われる。そのような他者軽視をすることで、彼らは自分への肯定感を獲得することが可能になる。一時的にせよ、自分に対する誇りを味わうことができる。
(中略)
仮想的有能感は、他者をどう見るかという一つの他者評価を基盤にしたものである。他者の能力を低く見るほど自分の能力の自己評価を吊り上げることになる。しかし、これは自分の過去経験にはまったく左右されない思い込みの自己評価と言える。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%BE%C1%DB%C5%AA%CD%AD%C7%BD%B4%B6