はてなキーワード: ナイスとは
性交を終え裸のままホテルの天井の幾何学的な陰影を見ていると唐突にJ子が姉こと考えていたでしょと言った。うんと答えた。
「姉より私のほうがナイスバディよ」とJ子は笑って言った、「彼女、子供産む度に太っちゃったし」
太ったR子のことが想像できない。無理に想像すればそれはJ子の身体になっていく。隣に裸で横たわっているJ子を見た。三十半ばだろうが二十代と言ってもいい肉体の張りがある。セックス経験も多そうだ。
「私のセックス、良かったでしょ」
「ああ」
「姉より絶対にいいわよ」
それには答えない。
「Kさんの初恋の人だったのね」
少年だった僕にとって世界に意味があるとすればR子の存在だった。R子の裸身を思い描いてマスタベーションした。
「妹だとわかってた?」
「齢は離れているけど珍しい名字だし顔も似ている」 J子もR子も面長でどことなくエル・グレコの聖母のような雰囲気がある。
「またセックスしてね。それとも私と結婚する?」と僕に乳房を押しつけるようにのし掛かり、軽くキスしてから「創華学会の奥さんと可愛い娘さんと別れて」と意地悪く言った。僕は答えられない。
「今晩私とする気でいたでしょ」
「そうかもしれない」
「Kさん、コンドームを絶対に持ってると思った」 J子は嬉しそうに言う、「コンドームにもこだわりがあるのはKさんくらい」
「ゴムの匂いが嫌いなんだよ」
僕はシャワーを浴びに行った。浴室を出ると裸のJ子が行く手を塞ぐように立っていた。