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2008-12-22

ライトオタク誕生していない。ぬるオタ歴史から抹消されている

思うところがあったので書いておく。

ライトオタク誕生

http://d.hatena.ne.jp/tokigawa/20081215/p3

僕の実感としては、本格的にオタクライト化というか、オタクじゃなかったオサレ人達がいっぱいオタク文化に参入して来ているんだなと本当に思うようになってきた。


記事では『ユリイカ』の初音ミク特集の記事から濱野智史id:shamano)やテクノウチの発言を引用し、今までオタク文化に見向きもしなかった「オサレ」な人間たちがライトオタク文化を消費し始めていると書いてある。この記事だけでなく色々な場所で言われ始めた言説だ。

このように言われていることに一抹の危機感を感じたので本記事を書くことにする。

タイトルで「ぬるオタ」と書いたのは正確には間違っている。要するに「オタク文化も消費するサブカル系の人間」のことだ。しかし、オタク文化にどっぷり浸かっているガチ人間からはそういう人間が「ぬるい」と捉えられるのは事実である。

まず、オタク文化ライトに消費する「オサレ」な層がいきなり現れたかというのは間違っている。急に出現したかのように感じるのは錯覚だ。

このように横断的に消費していく層というのはずっと以前からいる。急に出現したかのように感じるのはやっとそのような層の声がインターネットなどによってオタクにも届くようになっただけであり、または可視化しただけだ。これは「オタクはやめることができない」という勘違いにも言えることだが、今までオタク歴史を紡いできたのがガチオタクだけだったために、ライトに見える横断的な層というのが無視されてきたのだ。それによって近年、急に現れたかのように見える。だけど、ずっとずっと前からいたのだ。

例えば、クラブイベントを消費する層がオタク文化に流入してきたという風に書かれているが、テクノというのはかねてからオタク文化親和性が高かった。

それはテクノポップの始祖・YMO細野晴臣ゼビウスサンプリングして『ビデオゲームミュージック』を製作したように、特に日本においてはゲームミュージックが源流にある。あの中田ヤスタカだって渋谷系音楽からの影響は否定するがゲームミュージックは素直にリスペクトする。それほど大きな存在であり、ピコピコに魅入られて音楽キャリアゲームミュージックから始まっている人間は多い。

それゆえ、オタク文化への親和性は高く、90年代初期においてもアニソンアイドル歌謡テクノリミックスして遊ぶことは当然のようにあった。

そうでなくてもテクノ界隈の人間宅録という手法がオタク気質に合っているなどと言われりしてオタク的な人間が多い。日本最大のクラブイベントWIRE』を主催する石野卓球根本敬を語りガンダムネタにしキャシャーンOPカバーした。テクノ音楽の輸入に貢献した人間からしてこうなのだから後に続くものは推して知るべしである。

イベントだけをとってもDENPAの前にはコスパ存在するし、ナードコアだって存在した。ニコニコ動画界隈で吉幾三の『俺ら東京さ行ぐだ』をリミックスして遊ぶのが流行ったが、その十年も前に『レオパルドン』というアーティストサンプリングネタとして使用し『NO DISCO CITY』という楽曲発表している。クラブでは既に吉幾三を聞いて踊り狂っていたのだ。

ここら辺の歴史が忘れられかけているのもすべて「語る人間の不足」が原因である。

もっと言おう。同じように言われるオタクDQNが急接近しているというのも間違いである。今でこそまったく違う存在として認識されいてるがその原風景では学校内で異端視されるものとして同じであったし、ずっと親和性は高かった。

ゲーセンは不良が行くところ」という言葉が参照される際、カツアゲなどがエピソードとして語られることが多いが不良がアーケードゲームに昂じていたことを忘れてはならない。それにオタクと同じように漫画を読み続けていたのも不良だったし、マイナー洋楽に聞きほれてバンドを始めてしまうのも不良だった。不良はずっとサブカル的なものを消費してきたしオタクとは身体性は違っても嗜好性は近かった。

バンドマンには特撮オタクアニメオタクが多く甲本ヒロト大学生になっても特撮を見続けていたし、YBO2は『太陽王子 ホルスの大冒険』をカバーした。

特にヤンキーというのは語る人間が不足しているので歴史はおろかその生態すら満足に語られていない。現役のヤンキー言葉を丹念に聞き続けている岩橋健一郎という人間もいるが彼の活動がまともに耳を傾けられたことはない。

漫画だってずっとずっと広い層から読まれ続けていたんだ。大友克洋を代表とする漫画郡が「ニューウェーブ系」と言われてサブカル系の人間も消費していたし、ヤンキーには上條淳士がいたし、ギャルには岡崎京子がいた。

「超ライトオタク誕生」などと書いてしまうのは早計だ。

昨今のヤンキーオタクが急接近であるとか、オタク系文化とクラブ系文化の融合だとかいう話は歴史の蓄積なき忘却のなせる錯覚なのである。

2008-09-03

http://anond.hatelabo.jp/20080903220459

細野晴臣が好き。その周辺も好き。

友人曰く「お前が好きなのはおっさんミュージック」だそうだ。

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