■六恋歌 三夕歌 天徳歌合恋歌
六恋歌 古今和歌集
郭公鳴くや五月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな
夕月夜さすや岡辺の松の葉のいつもとわかぬ恋もするかな
わが園の梅のほつえにうくひすの音に鳴きぬべき恋もするかな
宵の間もはかなく見ゆる夏虫に惑ひまされる恋もするかな
川の瀬になびく玉藻のみ隠れて人に知られぬ恋もするかな
五月山梢を高み郭公鳴く音空なる恋もするかな
天徳歌合恋歌
恋すてふわが名はまだき立ちにけり ひとしれずこそ思ひそめしが
忍ぶれど色にでにけりわが恋はものや思ふとひとの問ふまで
三夕歌 新古今和歌集
才もなき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ
みわたせば花ももみぢもなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ
寂しさはその色としもなかりけり真木立つ山の秋の夕暮れ
川柳
菜もなき膳にあはれは知られけり鴫焼き茄子の秋の夕暮れ
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