久しぶりに見たわ
≪ 前 「ああ、しまった」 思わず呟き、自分自身を嗜める。 忘れていたのもそうだが、そのことを「しまった」と思ったのも腹立たしい。 ふと、待合室に備え付けられた時計を覗く...
≪ 前 「正直、自分でも確信がないんだが……気がかりなことがあったんだ」 あまりにも個人的なことだったから気恥ずかしかったが、俺は思い切って言った。 「俺はテレビのチャン...
≪ 前 「なんだよ、その“マフィンの法則”ってのは」 「マーフィーの法則」 タイナイが言うには、マーフィーの法則というのは“推測可能ことは起こりうる”って前提に基づいてい...
≪ 前 今朝から俺の身に降りかかっている謎の不調、不幸。 それらに対する漠然とした気がかりは、放課後になっても俺の中で燻り続けている。 原因がハッキリしていないからだ。 ...
≪ 前 そして昨日のようにバス停についてから、俺は日課を怠ったことを思い出し、後悔する素振りをした。 「あー、しまった」 前は自然と出てきた言葉だったので、意図的にやった...
久しぶりに見たわ
もうみんなつまんないって思ってるしやめよ?
≪ 前 「カジマ」 しかし呼ばれたのは、その視線を突き抜けた先、俺の真後ろの席にいたクラスメートの名前だった。 「お前がやってみろ」 「えー、自分っすか?」 目が合ったとい...
昔にくらべてけっこう読みやすくなってない?
≪ 前 「まず最初に断っておくが、私はあの方法を良いやり方だとは思っていない」 俺は先ほど自分を当てなかった理由を知りたかっただけで、やり方そのものについては構わないこと...
≪ 前 「先生、代数学の意義についても結構ですが、それで丸印をつけてくれるテストを俺はやっていません」 俺は彼のコンテクストを真似つつ、改めて本題に対する答えを要求した。...
ごめんつまんなかった もうやめよ?
≪ 前 目処は立った。 俺は家に帰ると、レポートをまとめる作業に取り掛かった。 検証で書いたメモを、順繰りにノートへ貼っていく。 こういうのには慣れている。 シマウマ先生の...
≪ 前 勝負は決戦前夜から始まる。 その日の俺は学業を終えた後、夜遅くまでバイトに従事していた。 家路に着く頃には、肉体的にも精神的にも神経的にもクタクタだ。 時間も真夜...
≪ 前 我ながら、何とも支離滅裂な夢を見た。 夢とは得てしてそういうものだが、寝覚めの悪さは否定できない。 思考速度が鈍り、倦怠感は体全体にのしかかる。 この気だるさは低...
チャンネルを10にして、音量も10にする。 俺がテレビの電源を消す前に必ずしていることだ。 なぜ、そんなことをするかって? さあ、俺にも分からない。 お気に入りの番組が10チャン...