貧しさにとことん辱めを受けてきた人間がそろそろ死のうかと思っている。
その前にこう考える。
よくも自分をこんな境遇に陥れたな。
みんな殺してやる。
みんな死ね。
そこでふと考える。
この国の人間をもっとも体系的に、もっとも多く殺す方法はなんだろうか。
繁華街にトラックで突入してナイフを振り回しても、小学校に突入して出刃包丁を振り回しても、直接手にかけることができるのはせいぜい10~20人が限度だ。
もっと合理的に多くの人間を殺す方法はないものか。
多くの人間を殺すには、原爆でも落とすのでなければ、長期間にわたって一定の人数を殺し続ける必要がある。
そのためには自分が拘留されてはならない。よって非合法な活動よりは合法な活動により殺人ができる方が良い。
方法がひとつだけある。
絶望させ、徹底的に苦しんだ後に死を選ばせるのだ。
そこでふと気づく。
日本人を体系的に自殺させ続けるには、実はいまの社会構造が最善なのではないだろうか。