2010-08-27

首都圏電子マネー保有率が100%」という記事のミスリーディング

自分もよくミスリーディングネタ建てることあるので、半分自戒も込めて。

http://japan.cnet.com/news/business/story/0,3800104746,20419009,00.htm

タイトル

首都圏電子マネー保有率がほぼ100%--地方は「WAON」がシェア拡大中」

出だし

首都圏に住む人の電子マネー保有率が98.6%(前回調査時は82.8%)とほぼ100%に達したことが、

 野村総合研究所NRI)の調査で分かった。NRI8月26日に発表した。

 首都圏を除く地域でも、札幌市で75.0%(同61.4%)、東海で65.7%(同42.9%)、

 近畿で77.8%(同56.5%)、福岡県で68.3%(同51.8%)といずれも6割を超えたという。」

これだけ見れば、最初の方しか読まない人、タイトルだけしか見ない人は、

「ついに電子マネー皆所有時代到来か!!」と誤解するだろう。

しかし、小生は未だに所有していない自分の親などを見ているので、

「んなわけないだろう」と疑念の念を持って読み進むと、

最後の方に

「調査は6月18~22日、北海道札幌市のみ)、首都圏東京都神奈川県千葉県埼玉県)、

 東海(愛県知、三重県岐阜県)、近畿大阪府京都府兵庫県奈良県)、

 福岡県の18歳以上の男女2250人を対象にネットリサーチサービス「TrueNavi」をもとに実施。」

とある。

要は母集団が「ネットアンケートに協力するような層、ネット新サービスリテラシーの高い人」

なのであり、「相当にバイアスが掛かった調査」である、と言わざるを得ない。

ネットアクセスが少ない高齢者、この層は通勤ニーズも少ないので、

その分電子マネー所有率が少ない、と推察するのが自然であり、

高齢者も含めた全世代平均では、保有率は押し下がるはずである。

この調査で確実に導ける「結論」は、

首都圏では交通カードが優勢、地方では流通カードが優勢」ということ「だけ」であり、

「普及率」については、全く信憑性のない調査、と言わざるを得ない。

自分の周囲を観察した限りでは、「せいぜい所有率7割」といったところではないか?

野村総研が「保有率100%」というリリースをしたのか、あるいはCNETがそのような

タイトルを付けたのか知らないが、仮に野村総研が「保有率100%」というタイトル

付けたのだとすれば、その真意を疑ってしまう。

いやすくも日本有数の調査機関が、「母集団バイアス」という統計学の基礎のようなことを

知らなかったとは思えない。

穿った見方をすれば、「電子マネーが皆所有段階に達しましたよ」と発表することによって、

電子マネー関係各社の株価の上昇を狙う(つまり親会社野村證券援護射撃)という

意図」が隠されているのではないか、とすら感じてしまう。

  • 朝日新聞の子会社になって変わったことでもあるんだろうか。

  • 穿った見方をすれば、「電子マネーが皆所有段階に達しましたよ」と発表することによって、 電子マネー関係各社の株価の上昇を狙う(つまり親会社野村證券の援護射撃)という 「...

  • SUICAが含まれているんじゃない? 実際は電子チケットとして買われていても、電子マネーとして処理されているのかと。 あとはクレジットカードに予め電子マネー機能が含まれていると...

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