■XmlSerializer vs SoapFormatter

.NETでオブジェクトの永続化によく使われる、この二つのクラスの違いについて書きます。サンプルコードなどは書きませんので必要ならリンクを参照してください。ずいぶん古いネタだけど、許してね。

• XmlSerializerについて
  • 基本的にオブジェクトの各プロパティをXmlファイルにマッピングする方法を提供するのみ。スキーマを自由に設定したり出力するXmlファイルを自由に加工することが出来るが、面倒なことも多い。
  • 基本は各プロパティにXml***Attributeをつけてシリアライズ対象を制御する(http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/83y7df3e(v=VS.80).aspx)
  • カスタム化したい場合は、IXmlSerializableを使う。(http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/system.xml.serialization.ixmlserializable(VS.80).aspx)
  • 初回のシリアライズ・デシリアライズ時に、一時ディレクトリ上にC#コードファイルを出力し、それをコンパイルする。二回目以降はコンパイルされたアセンブリを使って処理を行うため、後述のSoapFormatterよりかなり速い。その代わり、この方法特有のセキュリティ問題が発生することがあるので注意する必要がある。（例えば、一時ディレクトリが共有ディレクトリだった場合、他のユーザーがコンパイル済みのアセンブリを入れ替えることが可能になる等）
  • デリゲートは扱うことが出来ない。複数回参照される参照オブジェクトについても自前で処理する必要がある。(多分^^)

• SoapFormatterについて
  • soapとはリモート上でオブジェクトをやりとりするために企画されたプロトコルのこと(らしいです)。このクラスを使うと、面倒なことをほとんど考えずにオブジェクトを永続化することができる。例えば、デリゲートの扱いや、複数回参照される参照オブジェクトについてもよきに計らってくれる。その代わりフォーマットは固定のため、そのあたりのフレキシビリティが皆無なのが難点(？)
  • 基本は各プロパティにSoap***Attributeをつけてシリアライズ対象を制御する。(http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/b29kkt2s(v=VS.80).aspx)
  • カスタム化したい場合は、ISerializableをつかう。(http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/system.runtime.serialization.iserializable(VS.80).aspx)
  • 事前にコンパイルされることはなく、またSoapへのエンコーディング・デコーディング時間も追加で必要なため、単純なXmlSerializerよりかなり時間がかかる。その代わり永続化にあたっての面倒ごとはすべて引き受けてくれる。
  • ISerializable属性を持たないオブジェクトを永続化する場合は、TypeConverterかISerializationSurrogateを使う。

全体的に速度が重要な場合か永続化するオブジェクトが単純な場合はXmlSerializerを、それ以外の場合はSoapFormatterを使うのが良いと思う。なるべく短いコード量で行きたいならSoapFormatterの方がベター。

あと、細かいことだけどTypeConverterは便利なので使うべし。シリアライズ不可能な小さなクラスとか特に有効。

• XML シリアル化の概要
  • http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/182eeyhh(v=VS.80).aspx
• ISerializationSurrogateのサンプル
  • http://msdn.microsoft.com/en-us/magazine/cc188950.aspx#fig2
• オブジェクトのシリアル化
  • http://www.kanazawa-net.ne.jp/~pmansato/net/net_serialize.htm
• Which one is the better XML serializer?
  • http://weblogs.asp.net/cschittko/articles/44277.aspx

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