2010-04-11

なぜ日本中古市場、返品、返金市場ができないか

日本市場では、たいてい買ってすぐでも開封されたなら返品、返金はしなくてよい(法的拘束力がない)

ネット通販に限って言えば、期間内の個人都合の返品や下取り名目での返品を行ってくれるが、一般的ではない。

なぜこの文化が根付かないのだろうか。ひとつ処女信仰である。

誰も触っていないまっさらなものを初めて手に取りたいだけなのだ。事実、返品や返金はできた方が経済的にも都合がよい。

例えば、

中古市場が活性する

中古と言っても、最近アウトレット家電などの言わばキズモノを取り扱う家電屋も増えた。

だが、これらの実態は使い古しではなく売れ残りの廉売であり、中古市場活性化とは言えない。

しかしながら、中古市場を息づかせる土台は整ったと言えよう。

例えば、発売当日は定価の100%返金、3日以内は90%返金と、期間に応じて段階的に返金率を与え、レシートなしを一律0.1%で引き取るようにする。「買ってみたけど家で使ってみても効果が実感できない(マイナス某とか)」の事例や、「買ったはいいけど葬祭でお金を工面しなければならなくなったので、昨日買った家電を返品したい(けどしてもらえなかった)」などのことはこれでたいてい解消される。

もちろんレシートは紙くずではないのだから、レシートいりませんなんて慣習も薄れるだろう。泣きをみるのは紙切れ一枚から無駄にする奴だけで良い。

「売れ行きが落ちて体力が衰えるのではないか」という懸念はあるだろうが、中古市場家電小売が囲い込めば中古購入も収入となるので、その点は問題ないと言ってよい。そもそも値引き交渉するぐらいなら下取りに出して浮いたお金で買えばいいのであり、それぐらいのこともできないからモンクレが湧くし、どこぞのオークションサイトは大繁盛なのだ。それと返金に応じるところと応じないところなら、応じてくれるところを利用するに決まっている。

そうすると、私たちはより多く選択権を与えられることになる。安い中古だが実績あるメーカーのものと、安い新品だがどこぞの馬の骨メーカーのものだ。ブランドは大事だよね、というなら中古を買えばいいし、サイズや見栄え、全部を捨てても新品がいいというなら後者を選べばいい。図書館ブックオフすら受け付けない人間もいるのは承知している。そういう人は新品だけ買えばいい。

正しく処女厨非処女厨の対立そのままだ。

もちろん既にそういう小売店はあるのだが、中古専門とかではなく、新品も中古もまとめて見れること、が必要だ。

企業側にも有益

そもそも返品するというのは理由がある。小売が中古市場と新品市場を包括するということは、返品される商品から傾向を読みとり、新商品への戦略を分析するのに役立つ。これまでの既製品の押し売りから、消費者意見の反映がされるようになることを意味する。お偉いさんは店頭に立たないので、データで分析するしかないばかりか、消費者意見に耳を貸したくても貸せない。ならば消費者の行動データをより多く集めることで、間接的に消費者意見の反映をさせること(しかもより多くの量、多くの面から)が重要だ。これを単純に二倍できるのが、新品市場に対する中古市場である。

新品にしか対応出来ていない家電小売は、ポイントで本を買おうとか、酒を取り扱ったりして迷走している。その上「売れない」とか言うんだから笑わせる。売れる市場なら目の前にある。よその業界の領域に半端に首を突っ込んで「もうけもうけ」などと抜かすな。

あと「新品が売れなくなる」と言う人がいるが、むしろ下取りなどの消費喚起を率先して行わずに「不景気だけどうち、新卒以外要らないから^^」という態度はいかがなものか。

ブランド価値が目減りする」と言う人もいるが、ブランド価値とはお金でしか表せないのか、考えてみるといい。むしろ知名度のある小売が中古市場に参入することで、中古商品も洗練される。

もちろん食物、薬はダメ

いや、そりゃあさすがに当然でしょ。逆に言えばそれ以外はOKと言ってよい。すべての業界にとって次なるフロンティアが「中古市場」だ。ハコモノだけ作って中身は別物でした、なんてのは無能のやることだ。

以上、葬祭関係を一通り終えてようやっとムカつきを吐き出した増田でした。

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