久しぶりに夢を見た。
内容はDTBのオリジナルストーリー。(http://www.d-black.net/)
DTBはSFスパイアクション仕立ての物語を通して、様々な人間ドラマを描いたもの。
夢で見たのは、二人兄弟の兄の死に関わって母親に疎まれるようになり、そのトラウマを抱えながら生きている10歳に満たないくらいの少年のお話。
弟クン自身は元のお話で出て来る超能力者のような人で、”存在を消す”能力を持っている。彼はその能力が原因で兄がいなくなった事に何らかの形で関わり、結果、母親から疎まれるようになる。
その能力に目を付けた怪しげな組織に狙われるも、原作の主人公によって弟くんの身柄は守られ、普段通りの生活が送られるようになるが、母親は相変わらず少年のことを疎んじたまま。
最後に、彼女が「あの子なんていなくなってしまえばいいのに。」と言った瞬間、彼が、すっ、と消えてしまったところで目が覚めた。
途中のやり取りはよく覚えていないが、最後のシーンがすごく印象に残っている。
母親の運転する車には主人公が同乗しており、自分の息子を呪う言葉を吐いた母親に、主人公が「そんなことを言うと、アイツは本当に消えてしまうぞ!」と言った直後、場面が移り変わった秋葉原の高速道路下で、横断歩道をゆく雑踏の中、少年が空を見上げ、少し薄くなって、消えた。
少年は5歳か9歳くらいの子供で、その年齢の子供にとって母親による存在否定は夢の通り消えてしまうのに十分なことであろうが、それは割とどうでもよく、この夢の終わりはそれ以上のことを意味しているような気がした。
結局、生きる上では意味付けが全てで、少年の存在が消えたことは、人生はその捉え方次第でどうとでも生きることができるという強烈な自由の裏返しのように思えた。
もちろん、これは全て夢の話なのだけど、胡蝶の夢のように、少年が夢の世界の現実から消えて飛んでいった世界がこの現実の別の世界とリンクしているような気がしてならない。
原作の第一期の11・12話に、契約者として生まれたが為にやむにやまれず組織にスパイとして使われている男が、主人公との出会いを切っ掛けに全てのしがらみを捨てて、ロケットに乗って本物の星を見に行くというお話があるのだが、それに似ている。
消えていったその先で、彼は幸せに暮らしているのだろうか。