横井軍平語録
「ソニーのウォークマンをみて、私はすごいと思います。ウォークマンというのは、ソニーの技術力で
しかできないものだったか。決してそうではない。他の会社だって、ウォークマンを見さえすれば
簡単に作ることができたはずです。ところが、ウォークマンというアイディアはソニーしか出せなかった」
「売れる商品というのは、まじめに取り組んだらできるんです。最先端の技術を使ったら、かえって
売れない商品ができてしまう。だから、「枯れた技術の水平思考」で気楽にものを考えれば、
まだまだ売れる商品が作れるのです」
有名な言葉だが、この考え方は現状でも使えるのだろうか。
例えば、日本企業は、アップルの製品群のような横の連携をした総合的な環境やサービスとしての売り方、他社製品にもつながるが、純正品で揃えた方がより性能を引き出すことが出来るという考え方はない。いや、あるかも知れないが、デジタルネットワークにおけるコアとなるハブが存在しないか、貧弱なため、うまく行っていない。(逆に言えば、アップルはマイクロソフトより酷い独占企業とも言えるかも知れないが)
もちろん、横井軍平の思想を体現しているのは任天堂のみだ、という反論は有効だと思うが、他の日本企業が、たまに面白い製品を作る事も事実だと思う。(例えば、デュアルディスプレイノートPCとか)
よく言われている通り、面白い製品が出ても、後がつながらない、戦略的視点がないのだというのは多分その通りだと思うのだが、ではどうすればいいのだろうか?
個人的に一つ思うのは、アウェイであるPCに強力な戦略的拠点がないと辛いのではないかということだ。(つまり、アップルのiTunesのように)
例えば、グーグルを見習い、電機メーカー各社がオープンソースであるグーグルのクロームを改造した共通のブラウザをプリインストールして、そこを戦略拠点(ハブ)とし、例えば、デジカメの画像をアップロードが出来るなど、デジタル家電と連動できる前線基地にする。(別にファイアフォックスのアドオンでも、オペラでも良いかも知れないが)
もちろん、インターネットTVにはデフォルトでそのブラウザがついてくる。
心配なのは、デザインがゴテゴテになることだが、そこら辺をうまく解決して、なんとかならないもんかと思う。
一社でも横の連携がうまく行っていないのに、沢山ある家電メーカーの烏合の衆をまとめられるのか?という反論はあるかも知れないが、それこそ、優秀な官僚が主導してやるべきではないか。