■研究はビジネスとして考えると完全に終わってる

• 市場規模の拡大が見込めない
  • 研究市場にとっての市場規模は基本的に国の予算である。国力や時代の流れ、景気などによって大きく変わり、プレイヤーがパイの拡大に働きかけることは事実上不可能。先進国の成長は停止しているので、外部要因的にも市場規模は縮小する蓋然性が高い。
• シェアをとれない
  • ボスコンのPPM分析的には、市場成長率が低くとも高シェアを確保できるのであればそれは「金の成る木」事業であり有用である。しかし研究は基本的に個人またはラボ単位でしか参加できず、知識集約型かつ労働集約型であるため、高シェアの確保は不可能である。
• 勝者総取り
  • 業績の尺度が論文の数(IFなども含む)しかなく、論文は同じ内容なら最初に発表したプレイヤーのみが評価を得ることになる。論文作成にはある程度の期間（四半期～）が必要になるため、リスクの高いリターン構造になっている。他の戦略は取りようが無いため、競争環境は「ひたすら論文執筆を高速化する」という消耗戦となりやすい。
• やり直しが効きづらい
  • 任期制のポストが多く、短期勝負となる。また市場規模に対してプレイヤーが多く過当競争であるため、一度失敗すると業績の数で負けるため新しいポストが見つかりづらくなるというネガティブフィードバックの機構を持っている。

Permalink | 記事への反応(2) | 15:44

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