2009-09-13

福祉産業雇用の受け皿にならない

落語の「花見酒」という噺を知っているだろうか。

酒を売って一儲けを考えた2人の男が、売り物の酒を「買い」、金が2人をいったりきたりしているうちに酒を全部飲んでしまい、結果借金だけが残ってしまうという噺である。

福祉産業をはじめとする第三次産業は、これと全く同じ構造で、外部への利益を産まない。よって、医療介護や保育といった福祉分野が雇用の受け皿にはならないのだ。

例えば、島民全員が洗濯屋で、お互いがお互いの洗濯物を洗う事で賃金を得ている島があるとしよう。島民は皆、洗濯をして賃金を受け取り、洗濯物を出して代金を支払う。島民は洗濯業以外の仕事をしてはならず、自分洗濯物を自分で洗ってはならない。島民は、洗濯代を受け取り、生活費の分を消費し、残りで、洗濯代を支払うことになる。これが「福祉産業」がメインとなった国家モデルである。

そうなると、この島では生活費の分だけ非島民(外部)にお金が流出することになり、この島の経済を維持するには、ヘリコプターで外部に流出する分のお金を毎日ばら撒かれなければならない。

しかし、その島の住人は外部の生活財と交換する財やサービスを生み出していないため、生活財が手に入らず、生活が成り立たなくなる。

結局、第三次産業が発生する付加価値は、一次産業、二次産業が生み出す富の総量を超える事は出来ない。

  • とりあえず比較優位ぐらい理解してくれ。外部に売れるようなものを作れる技術を持った人の家事介護の負担を肩代わりしてその分高度な仕事をしてもらえればその島の生産性はあがる...

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