2009-08-06

ワクチンアレルギーが薄まった日本

  これも日経ネタだが、ヒブワクチンが「順番待ち」状況らしい。

  厚生労働省は、ワクチンの需給の見通しを「見誤った」らしい。

  小生がまだ大学生だったことは、「予防接種訴訟」などが憲法の問題集に載っていたりして、

  「義務接種は違憲か?」等の論争がなされていた。

  それを受けて、90年代に予防接種義務がかなり「緩和」され、任意接種が増え、

  接種率も減っていった。

  しかし、2000年代に入ると、むしろ「予防接種率が低い」というのが

  「世論」になってしまい、厚生労働省の方がおいてきぼりになってしまった。

  厚生労働省にいわせれば、「自分たちはぶれていないのに、世論のほうがぶれている」と

  文句もいいたくなるだろうし、その気持ちも分かる。

  しかし、小生の個人的な「見立て」では、「世論」が一定なわけがないのである。

  ここで「世論」を形成するのは、勿論マスコミ科学記者論説委員世論に参画するが、

  主要な世論形成者は「母親」なのである。

  そしれ、これはあたりまえだが、「母親は世代を経ると入れ替わる」のである。

  つまり、予防接種による事故報道等で知っている「母親」とは、70~80年代に

  「母親になった人」である。

  彼女らの努力により、厚生労働省は90年代に義務接種を緩和したため、

  「70~80年代の母親が第二子第三子を接種させるとき」には制限が緩和されたので

  「溜飲を下げた」訳だ。

  しかし、90年代に「初めてママになった人」(90年代に第一子を出産した人)は、

  そのころの育児雑誌とかで「先輩ママ努力で義務が緩和されたのか~」と

  読んで、「ふ~ん」てな感じである。

  「自ら勝ち取ったハナシ」じゃないので「どこか他人事」である。

  で、2000年代に「初めてママになった人」に至っては、

  そのような「闘争」が20年前に繰り広げられていたこと自体を「知らない」。

  知っているのは小生のような法学部出身者か、ベテラン科学記者だけだ。

  また「たまごくらぶ」等の育児雑誌も、90年代と違って、2000年代には

  そのようなことを紙面に取り上げない。

  となると、「予防接種の怖さを知らない母親」からすれば

  「なぜ接種させてくれないの!」となる。

  分かりやすく言えば

  「予防接種禍を知っているのは、今の母親世代じゃなく、おばあちゃん世代である」という

  世代ギャップに、厚生労働省は早めに気付くべきだった。

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