大学を卒業し、大学院に進学した。研究室はうつらず、学部時代と同じ研究室に入った。
その時外部から入ってきた同期の女の子に恋をした。
彼女は学部時代は俺の地元の大学に通っていた(出身は別)ので、すぐに共通の話題が見つかって、最初の飲み会で比較的打ち解ける事が出来た。
そのまま彼女に恋をした。スタッフの一部に煽られさえしてしまうバレバレな状況。
機会があれば積極的にアプローチをした。
彼女との距離を詰めようとした。
俺に髪の毛の長さについて聞いてきたりして、彼女もそれらしい態度を取る事もあった。
とは言え、彼女は普段は俺との距離はそんなに近くはなく、他の先輩方とくっついている事が多かった。
怪しいなぁとしばらく思っていた。
まぁ、ただ彼らには俺が彼女が好きな事を知られていたので、特に何もないのだろうと高をくくっていた。
彼女は前々からインターネットを家に引きたがっており、そういう筋に詳しい俺に契約について教えてほしいとの事。
後日、一緒に契約に行った。
ごくごく普通のデートに出かけそうな女の子の服装、スカートにサンダルにポロシャツ、で、彼女は来た。
一緒にお昼ご飯を食べる事になっていたが、時間的な制約で食べられず、インターネットの契約をして、いくつかお店を見て回って終わり。
「浴衣が見たい」と彼女が言ったので、浴衣を見せてよさげなものを試着してた。
あの時の浴衣姿は良かった。
インターネットは工事が翌週になったので、翌週設定をしに彼女の家に行く約束をし、その日は終わった。
彼女は部屋着で出てきた。
設定そのものはややてこずったものの、普通に終わり。
ウイルス対策ソフトなどの設定もして、帰り際に彼女に告白をした。
彼女の答えはNoだった。
どうやら、距離感が近かった先輩方のお手付きだったらしい。
「ヤリたいだけでしょ?」と言われた。彼女はすでにセックスマシーンと化していた部分があったらしい。
「あたしは君が思ってるほどキレイな女じゃない」
「あたしみたいなろくでもない女じゃなくて、もっと真面目なコと付き合ってほしい」
「君の事はキライじゃないけど好きになれない」
「もてあそんじゃってたらゴメン」
「もといた大学の先輩が好きで忘れられないけど、その人はもう結婚しちゃう」
俺はどうする事も出来なかったし、どうする事もしなかった。
最後に一つだけ彼女にお願いをした。
彼女を抱きしめた。
そして、俺は彼女の家から家路についた。