このゲーム、エディットモードというものがあり、3D表現された初音ミクに任意の曲で任意のダンスを踊らせる事が出来るらしい。しかも、メモリースティックにコピーされたMP3ファイルにも振り付けをさせる事が可能という。つまり、実質楽曲の制限は無いに等しいわけだ。
このゲームが発売される以前にも、MikuMikuDanceなる、Windows上で初音ミクにダンスを踊らせるツールが出回っている。3DCGの知識があればどんなキャラクターでも踊らせる事が出来るそうで、これもニコニコ動画あたりでかなり活発な分野となっているようだ。
http://www.geocities.jp/higuchuu4/
なかなか面白い流行だな、という以上の感情を私は抱かなかったのだが、この流行に危機感を抱いている人達もいるらしい。それは誰か。原曲を書いたり歌ったりしている人達である。
当然だが、既存の楽曲に関して作曲者、作詞者、歌い手など、その楽曲が伝えるメッセージや世界観を決定できる正統な資格を持つ人達が存在する。しかし初音ミクは、それらをあっさりと「初音ミクver」に上書きしてしまう。これに対して少なからず危機感を抱いている人もそれなりにいるらしい。
今のところ、「初音ミクver」をきっかけにオリジナルに関心を抱く人達の方が多数派だとは思うが、これがいつまでも続くと、誰が保証できるだろうか。特に「初音ミク」のキャラクター性そのものを愛好する人達にとって、その曲は「我々が創った曲」ではなく「初音ミクが歌う曲/踊る曲」でしかあり続けない。
CD売り上げ不振が指摘される昨今の音楽業界だから、「宣伝になれば」と黙認しているケースが今のところ大多数ではあるが、この均衡はいつまで続くのだろうか。
その曲は「我々が創った曲」ではなく「初音ミクが歌う曲/踊る曲」でしかあり続けない。 音楽ってそういうものじゃない? 『「初音ミク」のキャラクター性そのものを愛好する人...