ブラッセルも大半が支持する雲行き、カラバフ問題は棚上げ
NATO高官筋の見通しとして、INSニュースウォッチ(6月5日付け)が伝えた。
水面下でアゼルバイジャンのNATO正式加盟の工作が続いているという。
冷戦がおわってソ連が解体し、ワルシャワ条約機構が破産し、NATOは東方へ拡大し、この地殻変動の余波はまだ続いている。
第一にアゼルバイジャンはグルジアの孤立無援な状況に手をさしのべてガスを供給している。グルジアは勇敢にロシアと戦っている。
第二に従来、アゼルバイジャンの石油とガスはロシアのガスプロムの流通ルートしか依存できなかったが、トルコへのジェイハンルートが繋がり、西側とも直接取引が可能となった。
第三に親子二代にわたるアリエフ政権は西側寄りの政策を一貫して続けており、政治的安定感があること。
NATO加盟国の中でも、イタリア、ルーマニア、トルコ、ポーランド、英国そして北欧諸国が強くアゼルバイジャンの加盟を支持しており、残りのくにぐにも、カラバス問題の解決の見通しが立てば反対の理由はないだろう、と推測される。
さらにNATOにとってのアゼルバイジャン加盟支持の流れは、アリエフ政権がアフガニスタンへ派兵に協力していることで(現在184名)、追加増派にも前向きな姿勢を評価する向きが多いという。
一方、おなじくアフガニスタンに協力的なグルジアとウクライナのNATO加盟問題は、ロシアの姿勢が明らかに反対であるため、アゼルバイジャンの加盟より時期的には遅くなるだろうと見られる。