2009-05-03

前回の論議を踏まえて考えていくよ

リンチ現場を見物していていいのかね? - 訳者あとがきβ版(やくしゃ あとがき べーたばん)

http://d.hatena.ne.jp/mujige/20090502/1241252962

http://anond.hatelabo.jp/20090502135819

ヘイトスピーチは悪である。マイノリティーに対するリンチである。これは自明。(そう思わない人は、ここから先は読まなくていいです。)

まず、明確に

1)ヘイトスピーチとは何であるか。

2)私刑とは何であるか。 

から始めなくてはならない。自明と言って証明を放棄することは論議として許されないものだ。Wikipediaによればヘイトスピーチとは

人をその人種民族国籍宗教思想、性別、性的指向、障害、職業社会的地位・経済レベル、外見などを理由に貶めたり暴力差別的行為を煽動したりするような言動のこと。

これから類推されるヘイトスピーチの要件は

1)文化的、社会的経済的、もしくは民族的な所謂差異が存在していなければならない。

2)事実に基づく基づかないにかかわらず、上記の差異を強調する言動である。

3)上記の差異を理由に差別私刑正当化しそれらを先導する言動である。

よって、ここにおいてこれらを満たすものをヘイトスピーチと呼ぶ。

Wikipediaによれば、Wikipediaによれば

私刑(しけい)とは、法律に基づかないで、特定集団( およびそれ自身が定める独自の規則 )により決され、執行される私的制裁。

さてここで明らかなのは私刑はどこからどこまでなのかが不明なことである。肉体的要件に限定するか精神的要件を含むかによって論議は変わってくるだろう。とりあえず包括的私刑の要件を定義しておこう。

1)法律に則していない。

2)司法機関以外によって罰せられている。

よって集団の有無に係らず上記の二点を満たすものを包括的私刑としよう。さて、ヘイトスピーチはこの二点を満たすのかが問題である。まず第一にヘイトスピーチ差別暴力的解決を先導するものであって肉体的暴力そのものではない。ヘイトスピーチそのものは言葉暴力である。言葉暴力によって特定集団が罰せられることはあり得るのか。それとも不当な差別から不利益を被ることが私刑と云うのであろうか。ここら辺の論議を明らかにしない限りヘイトスピーチ私刑であることは言えないのではないか。少なくとも

ヘイトスピーチ包括的私刑の要件2を満たすことを証明しなければならない。

私刑でないことを示せとか言われるかもしれないがそれは悪魔の証明であるから、明らかにヘイトスピーチ私刑であることの立証責任があるのははじめにヘイトスピーチ私刑であることを提唱した側である。

ここまではいいですか? 差別を憎み、youtubeで「国民大行進」のビデオを見物しながら在特会の頭の悪さをバカにする、良識ある日本国民のみなさん!

レッテル張りはよくない。ヘイトスピーチがばかげた行為であるのは明白であるけれども自らの主張に賛同するものを「良識のある日本国民」と呼びそれ以外のまるで良識のない人間と呼ぶのはどうか。ヘイトスピーチを行う者を暴力的な行為で解決を目指すあなた方は「良識のある日本国民」なのでしょうか。たぶん私の考える良識とこの人の考える良識はまったく別物なのでしょうね。

・となると、結論はひとつ。法ができるまでは、ヘイトスピーチ人民の実力で阻止するしかない。それを私は「現行犯逮捕」という言葉で表現した。もちろん、現行法によらずに逮捕したらそれは犯罪であるし、“犯人”をブタ箱にぶちこんでおくわけにもいかない。できることは、せいぜい差別表現が書いてある横断幕を取り上げるか、ぶんなぐるくらいのことだろう。(他に方法があるなら、教えてほしいんですが。いや、マジで。)

どちらにしろ私刑は禁止されているのだから暴力的行為で解決を訴えるのは間違いだ。そもそもぶん殴ったら犯罪だから。あなた方ができるのはヘイトスピーチをヘイトするヘイトスピーチくらいなものだ。(どちらにしろヘイトスピーチをする少数団体を価値観の差異でヘイトするんだからこれはまた私刑であることになるわけだが)そしてヘイトスピーチをする者たちが暴力によって訴えてきたとき正当防衛を行使するくらいだ。

いま、目の前で、マイノリティーに対するリンチが行われようとしているときに、法律がないからといって、そのリンチが行われるのを止めなくていいんですかね? みなさん。

まず第一にヘイトスピーチ私刑であるのかは疑問の余地がある。あなたの論議は一般的な私刑意味勝手に広げることによってヘイトスピーチ私刑の一つだととらえ暴力的に解決することを正当化している。次に目の前でリンチが行われているに介入すべきか否かという問題に対してはある程度の要件を設けることによって回答を得ることができるはずだ。例えばリンチされているものの緊急性や法権力のavailabilityなどそういったものを考慮して考えるべきだ。無作為に自警団を推奨する行為は無政府主義的な考えだ。その行為こそ民主主義の否定であり、民主主義によって歩まれてきたMoral Progressを否定する行為なのではないか。

・それでも、ここで「現行犯逮捕」という言葉を使ったのは、蕨市での行動で逮捕された2人は、本来なら国の仕事であるべきヘイトスピーチの取り締まりを、国のサボタージュのせいで、代わりにやらざるをえなかっただけだ、ということを強調したかったから。ヘイトスピーチ禁止法があれば、一般市民による現行犯逮捕違法でもなんでもない。いや、むしろ埼玉県警から表彰されてもおかしくない。(ここは単なるネタだから、ツッコミ禁止。逮捕された2人も警察から表彰なんて望んでないだろうし、私も断る。)

違法であろうと一般市民による現行犯逮捕合法であるかは疑問の余地がある。現行犯逮捕ではなく、少なくとも犯罪行為の抑圧であり逮捕ではない。

あと国際人権規約ヘイトスピーチを禁止しそれを犯罪としていても、そもそも日本はB条項を批准していないんだからそもそも犯罪ではない。

記事への反応 -
  • ネタにマジレスするのもなんだから増田で書く。 ヘイトスピーチは犯罪である。 たまたま、それが日本の刑法に記されていなくても、外国人などのマイノリティーを差別し、恐怖に...

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