この前電車に乗っていたら、3人の女子高生たちが乗り込んできた。
続いてちょっと冴えない感じの若い男も。
俺はすぐに降りるので立って見ていたのだが、女子高生たちと男は向かいあった席に座った。
ぼんやりとしている男。
女子高生たちはそんな男を見て小声でなんか言い合っている。
女A「うわっ、なんかに似てね??」
女B「あー、きもい系?」
女A「きもい系かなー。なんだっけ」
女C「あれじゃね?エヴァっぽくね??」
女A「あー!!それそれエヴァっぺー!ぎゃはは」
女B「うけるんですけど」
たしかに男の顔はエヴァンゲリオンに似ていた。顎のラインとか特に。
女子高生たちは既に指をさして大声で笑っている。
俺は何だか悲しくなった。
男を救いたいと思った。
俺「やめたまへ!」
聞こえないのか無視しているのか、女子高生たちはエヴァを見て笑い続けている。
なんてやつらだ。
何を言っても無駄なのだろうか。原始人め。
俺は窓を見た。トンネルで窓が鏡のようになっている。
そこに立っていたのは、悲しそうな顔をしたエヴァンゲリオンだった。
俺は振り返って男を見た。
ああ、やっぱり俺だ。エヴァっぽいや……。
アニメ見たことないけど。わかるよ。昔からよく言われていたから。