これはあくまで私の独断と偏見だけど、ボーカロイド界隈とか東方とか、あとその他のニコ動とかで流行るネタの多くに言えるんだけど。
あれらはあれを持ち上げる人たちの色んな理由によって「高く、高く持ち上げざるを得ない」ものになってると思うんだよね。
アマチュアDTMerでも歌を入れてみたい、けれどネトアでは物足りないし色々と互いに負担が大きいし、かといってプロに依頼できるほどの腕も用意できる報酬もないし。
でも、ボーカロイドならそれらの問題が簡単に解決できる。
自分で描いた絵や曲やアニメーション・ムービーをみんなに見てもらいたい、自分でちょっと踊ってみたので見てもらいたい。
でも「キモい」「つまんない」「ナルシスト乙」「ヘタクソ」って言われるのは怖い。
でもモチーフを東方の世界観に入れ込んでしまえば、曲を東方のアレンジにすれば、踊りをウマウマにすればみんなも違和感無く乗ってくれる。
もちろんそれによって「自分の世界を表現する」ことを失うのはデメリットとして大きいんだけど、
それでも「みんなで1つの世界を共有して、皆で常にそこからはみ出さないように表現し続けること」で「絶対にすべらない」のはそれ以上にメリットとして大きい。
だから私達はもうボーカロイドや東方をみんなで高く持ち上げて、これでやっていこうと決めた以上、今更下ろすわけにはいかないんだ。
ひとりで勝手に手を下ろしてオリジナルでも発表しだすと、相当な才能の持ち主なら「流石ですね!」とも言われるだろうけど大半はそうはならない。黙って無視されるようになるだけだ。
だから大方の中途半端なクリエイターはもうこの神輿を下ろせない。そういう状況があって、
それ故にこの状況を自分達で無意識下に正当化するために、「ボーカロイドがあればもう人間いらない」とか「東方ほど面白い世界は他に無い」と言い続けないといけないんだ。
と思う。
素晴らしい随筆だね。オリジナルで生きる程大変な事は無いからな。