2009-03-02

インド貧困層7億人をターゲットにしたビジネス


インドには、11億という膨大な数の人口がいます。その内、7億人が貧困層であり、大概は農村で貧しい暮らしをしています。そんな7億規模の村々に企業市場を開拓し儲けようと活動しています。そもそも今までの農村自給自足の生活で泥で髪の毛を洗い、火の燃料も泥を使用している村もありました。そんな貧しい村々にどうやって企業が参入、開拓したのでしょうか。2回に分けて書いていきたいと思います。


まず初めに、「ユニリーバ」という企業ビジネスモデルは、シャンプー石鹸などの生活必需品を小分けの袋に詰めて、1つ25円くらいで販売すること。やはり、貧困がゆえに安いことが条件になります。しかし、この方法でも欠点がありました。インドの村といっても都市部に近い村、完全自給自足の村、等々貧困の中にも格差はあり、この方法だと都市部の村人は購入するのですが、もっと貧しい農家たちは近くに店がないということと、根本的に石鹸で手を洗うとか、シャンプーで頭を洗う概念がありませんでした。それゆえ、都市部からほど遠い村人の購入は皆無に等しい状態でした。


そこでユニリーバはどうしたかというと、村の学校へ行き、特別授業として子供たちに紙芝居石鹸で手を洗わないとバイ菌にやられるよ、だからユニリーバ石鹸で洗いましょうと教えたのです。悪く言えば洗脳ですね。しかも、テレビ新聞があまり普及していない家庭がほとんどですので、洗脳された子供が、家で親や友人に勉強したことを口コミし、より広まる事になったのです。


しかし、これだけでは石鹸を買いたくても店がなければ購入できません。そこでユニリーバは、地元女性販売員になってもらい個々人に直接売り歩く計画を実行したのです。外部からの情報が少ない村では共同体がしっかり根づいています。そこを利用したワケですね。


しかし、ここでもまた違う問題が発生しました。農村女性たちは貧しいがために学校にも行けず、畑を手伝い、18歳くらいで嫁に行く人が殆どで、全く教養がなく販売員としてうまくいかなかったのです。そんな問題をユニリーバは徹底した研修と実践でビジネスをたたき込み、物を売ってお金を手にする喜びを教えたのです。これも悪くいえばマルチです。その結果、4万5000人くらいの販売員インドの村々で仕事をすることになり利ざやを企業が稼ぐことになりました。


泥で洗っていた農村の人たちは、最初に無料で配られるシャンプー使用すると、一発で依存し買い続けると言います。そんなビジネスモデルを開拓したユニリーバは、インド貧困層ターゲットに習慣が変えやすい子供洗脳し、販売員という地元女性を使い、インド貧困層7億人、年間購買力16万円、全体で25兆円ともいわれる大市場を開拓し膨大な利益を獲得しているのです。

yamalog

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