彼女から聞いた話。
彼女には、頭が良く、きっぱりして男らしいと自称する友人がいる。
俺は少々気後れしてしまうタイプで避けているのだが。
その友人が、彼女に質問をしてきたらしい。
その内容はこうだ
「あなたは、絶対に遅刻できない用事があります。しかし、既に間に合わない時間になってしまいました。
そのとき、あなたは目の前に鍵がついたままの見知らぬ自転車を見かけました。
あなたは、その自転車に乗っていきますか?
それとも、遅刻するけど歩きますか?」
では歩くと言えば「間に合わなくなるね」
と言われ、かといって電話するだのタクシーを拾うだのと言ったら言ったで
「その可能性はなしで」
と言われたらしい。
そのくせ友人は聞き手に徹し、回答は決してしなかったとのこと。
俺は心底胸くそが悪くなった。
つまりはこれは、友人は俺の彼女に否定の言葉を投げつけ優越感を得るために作った話なのだ。
はっきり言って俺としてはこの女が男らしいだなんてちっとも思わない
はじめから答えが決めておいて、わざと「あなたが決めて」と男を試すスイーツ(笑)思考にも似ている
そのときの相手を試す目は「私につきあうに足る雄(雌)かどうか」という非文化的な思考だ
しかも困ったことに、「つきあうに余りある」ほどの相手でもいけないというレンジの狭さ。
息が詰まる。
しかし今度は似ているどころじゃないかもしれない。
正解すらない、相手が自分より劣った雌であると言うことを確認したいだけの思考だもんな。
腐ったスイーツ(笑)思考とでも呼びたくなる。
本当は俺は彼女にそんなのとつきあって欲しくないのだが
彼女は自称「男らしくてハキハキした姉御」とはまあなんとかやっている。
その姉御は、デザイナーになる夢を抱いていて、スカウトされるのを待っているが
営業も就職活動もせず、フリーター歴を更新し続けているらしい。
それすら俺の彼女には「夢のためにブレないで生き続けているまぶしい女性」に
映るらしい。
だまされているだなんて、とても言えない。
その問題への解答は、 「分かった。もし、乗ると言ったら『人のものを盗む』と言い、乗らないって言ったら『平気で遅刻する』って言うんでしょ」 だろうね。