2009-01-22

同期が心の病

 先日の日曜日の昼にやっていたガイアの夜明けテーマは「就労者の心の病」であった。(たしか11月に放送されたものの再放送だった)

 はじめはなんとなく見ていたものの、徐々に食い入るように見てしまった。

 ある闘病者の、

 「うつは誰でもなる病気メンタルの強い弱いで言えば、強い人の方が頑張りすぎてバーストする」という主旨の発言を聞き、なんともいたたまれない気持ちになった。

 というのも私の同期がそれに当てはまっていたからだ。大学二年時よりインターンとして参画し、優秀故に特例の「一次からイキナリ社長面接」を受け、志望動機も語らぬ内にアッサリ採用パスした男だ。

 私も内定してからインターンとして同じ職場に勤めた。仕事上での係わり合いはなかったが、明らかに「デキるヤツ」だった。彼が年上の社員レクチャーしているのを見て驚愕した覚えがある。冷静で論理的、空気を読んでバカもできる面白いヤツだった。

 入社してから間もない頃、研修として某「モチベーションエンジニアリングする会社」にて他社の新卒達と競う機会があった。詳細は長くなるので割愛するが、優勝したのは私の率いるチームと彼の率いるチーム。私は勝手に良いライバルだと思っていた。決勝戦がしたかった。

 優秀で会社からも嘱望されていた彼だったが、研修後の本配属からだんだんと元気がなくなっていき、入社半年も経たぬうちに「休職」してしまった。

 原因は「心の病」

 新卒が七人しかいないような会社で、しかもインターンしていたとあって社内に顔見知りの多くいる彼のニュースはあっという間に広がった。

 パフォーマンスが低い訳ではないはずだし、もちろん悪評もない。皆が不思議がっていた。

 だが私は彼から何となく話を聞いていた。平たく言えば「思い描いた理想との歪みに感じるストレス」と、「持ち前のストイックさが空回り」といったところだろうか。

 そこまで聞いておいて彼を救えなかった事が悔やまれるが、私には持論がある。

 「心の病は他人は治療できない。解決法は自ら脱出するのみである。待つべし。」

 という事。持論なのでここでいう他人=私と思ってもらって構わない。少なくとも私には無理だ。周りの人ができるのは享受のみ。現に周囲から何かを強制されたり促された訳ではなく、「いつの間にか治っていた」という知人が何人かいる。

 ネガティブ思考のさらに後ろに立ってそれ以上下がれないようにそっと見守るのが上手いのが精神科医なんじゃないかと思っている。(薬の効力を否定する訳ではない)「こっちの世界楽しいよ」と情緒不安定な心につけこんでベクトルを強引に曲げるのがカルト宗教なんじゃないかと。

 話が横道に逸れたが、実は当の彼、月曜日に部署を変えて復帰していた。4ヶ月ぶりか。なんと嬉しい事か!

 感激する私とは対照的に彼は「久々だね」と一言。今度昼飯行こうぜ!との問いには「おう。」と一言。

 すげー温度差だなオイ・・・・と思いつつ、感無量の喜びを噛み締めつつ、未だ全快ではない彼の今後を見守ろうと思う。

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