経済が成長しているさなかに、どこまでが「生産性の向上」で、どこからが「バブル」なのか、見極めるのは難しい。効果的なバブル予防策を説く経済理論も確立されておらず、FRB流の「後始末論」には、依然として根強い支持がある。
だが、山口や白川に共通するのは、バブルの判定がなかなか難しいことは承知で「何かできることを模索すべき」という考え方だ。バブルが起きていると確信したら早めに金利を引き上げる、危険な兆候の段階でも記者会見などで世論に注意を促す、といったことも含まれる。
しかし、バブルが起こるのは、人々が過剰なまでの自信を持つからにほかならない。バブルの結末は悲惨でも、その渦中にある人はバブルを謳歌しがちだ。中央銀行が、世論に逆らってでも行動する覚悟がないと、結局、バブルは防げない。
「パーティーが盛り上がっている時に、パンチボールを片付けるのがFRBの仕事」と言ったのは、元FRB議長のウィリアム・マーチンだった。
バブルを起こさないために常時不況にしておくということですね、わかりたくありません。