2008-08-27

他人事だからこそ楽しめる

これについて。

原爆ドーム」背景に「パンチラダンス ブログ炎上女子大生謝罪

http://www.j-cast.com/2008/08/26025739.html

これ、もし(ニコニコ動画をよく利用する層の)大多数の人々にとって「原爆攻撃を受けた広島」というものが、知識としてしか存在しないものだったならば、殆どが笑って済ませているんじゃなかったんだろうかと思う。実際はあの原爆によって都市は丸ごと吹き飛び、10万人以上の民間人が死んだ大殺戮だったわけだが、そういう史跡原爆ドームに限ったものでもないわけで、おそらく原爆ドーム以外の、おそらく国外のそういった史跡の前で踊っていたら、同じ現象が起こっていただろうか考えると、自分は違うんじゃないかと思う。

では、原爆ドームとそれ以外の史跡の(受け手が感じる)違いは何なのか、というと、やはり「他人事かどうか」に集約される気がする。彼らにとって原爆ドームは「他人事」ではなく、それよりも「近しい人を殺された事件」に近い位置付けなんだろう。だから「不謹慎だ」と怒る人が多かった。そんな気がする。

韓国では一時期、マスコミ金正日を好意的に報道する現象があったと聞くが、彼(もしくは彼の父親)の号令の元に同胞が数百人かそれ以上拉致されているのに「ケシカラン」という声があまり起こらなかったのも、韓国の大多数の人達にとって拉致が「他人事」だったからなのだろう。そういう視点で見てみると、日本国内の政治家揶揄したり皮肉ったりする作品の多さは、それだけ日本人にとって政治の「他人事レベル」が高い事を示しているような気がする。関心は無い割りに文句は多いというのが面白い所なんだけど。

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