2008-08-25

去年の今頃、離婚話が出た。

思い出すとやはりきつい。

付き合う延長で結婚した俺たちは籍を入れても別居していたし、式を挙げてからも一緒に住むことはなかった。

俺は一生結婚なんてする気無かったけど、彼女が望んでいたのもあって、俺も喜んで話を進めた。

最初は、普通の家庭を築く事に憧れを抱いていた彼女の言動が、いつしか自由を願うようになる。

あるときまで一緒に住む家を「こんな家がいい」等と言っていた彼女だったが、

一緒に住む家を具体的に話さないか?と切り出すと、途端に口ごもるようになった。

式が終わった頃だったか。

普通夫婦のようになりたくない、今の状態でずっと居たいと言い出した。

「最初からその約束だった」と。

俺は特に家を持つことに拘りも希望も無かったし

自営で仕事をしている彼女専業主婦をさせる気も無かった。

君が望むならそれでいい、と答えた。

俺が望んだのは、共に生きていける伴侶という存在だ。

もちろん楽しいことばかりじゃなく、ときどき喧嘩したり、

愚痴ったり愚痴られたりといった事もあった。その中で俺は愛を育んでいるつもりだったが

彼女は俺のマイナス部分だけをクローズアップして、ついには憎むようになっていたらしい。

なぜそうなったのか、今はなんとなくわかる。

俺が出張で遠くに離れていて、彼女仕事面や他の事で不安になると朝4時くらいに電話が鳴る事がある。

彼女をなだめ、眠くなるまで電話で話しをする。

2時間くらいして彼女はようやく眠れそうだと電話を切る。

それを彼女は憶えてない。

つまり俺が彼女精神的に支えていると思っていた部分は、彼女の中では無かった事になっている事が多いんだろう。

特に喧嘩をした訳でもないのに、それは突然始まった。

時に無視したり、わざときつい事を言ったり。

そうかと思えば普通だったり。

不規則な言動に俺は翻弄された。

疑心暗鬼に陥った。

何か気に要らない事があるのか訊いても要領を得ない。

「別に」

「そんな風には思ってない」

「どうしてそういう風に取るの?」

「先走りしすぎ」

そう言う割に、俺に対する接し方は変わらない。

理由は嫌いになって欲しかったから、らしい。

彼女にとって俺が必要なときは自分で実行が困難な場面のとき。

買い物の荷物持ちや送迎。わからない事をさっと引ける辞書としての存在

不必要なときというのはそれ以外の全て。

自分が望むとき以外は関わるなという事。

俺は心の中で泣いた。

今日天気のように。

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