ヤフオクで偽造品を掴まされましたが、返品し、ほぼ全額返金してもらうことができました。幸運が重なったこともありますが、同様の被害に遭われた方の参考になればと思い、経緯と教訓を残しておきます。
購入したのは、とあるAV機器。普通に買うと約8万円するところ、約3万5千円で落札しました。落札したときは、正直ちょっとアヤシイと思いましたが、物欲と節約生活の反動から誘惑に負けてしまいました。
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■教訓
アヤシイと思われる出品には手を出さない。落札することすら犯罪とされることもあるらしい。
http://auctions.yahoo.co.jp/phtml/auc/jp/propertyprotection/guide/index.html
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落札後のやりとりで相手が中国人であることがわかり、さらに不安になりましたが、落札した手前、引くにも引けず。ただ、連絡のレスポンスが早く対応も丁寧なので、少しだけ安心し、指定の口座に振り込みました。その翌日には発送され、そのまた翌日に商品がとどきました。
簡素な段ボール箱にビニール袋と緩衝材で包まれた、いかにもアヤシげな包装。もちろん保証書なんてなし。本体と付属のケーブルだけ。この時点で「やられたかも」と感じましたが、もう代金は払い、商品が手元にあるので売買成立済み。
「この際、せめて音だけでもまともなら…」とすがるような気持ちでスイッチを入れると…もう一発でわかるくらい全然ダメ。本物を使ったことがあるので、違いは一目瞭然でした。このときは、くやしさと情けなさにかなりへこみました。また、3万5千円とはいえ結構痛い出費。残ったのは偽造品だけ。どうすればいいか悩みました。
ふと頭によぎったのが、「これを出品すればほぼ同じ金額で売れ、取り戻せるんじゃないか」という悪魔のささやき。ぶっちゃけ、その商品の写真を撮り、出品する寸前までいきました。ただ、その直前にオークションのヘルプを見て踏みとどまりました。出品したら当然自分は被害者から犯罪者に変わり、さらに落札されたら同じような被害者が出てしまう。下手したら自分のIDは利用停止。訴えられるかもしれないし、何事もなく済んでも後味が悪すぎ。たかだか3万5千円でそんなことになったら、本物のバカだということに気がついたのです。
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■教訓
偽物をつかまされても、絶対にそれを出品してはいけない
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正直ここで諦めようと思いました。ただ、そのオークション画面を見ていて、相手の住所や連絡先がわかり、さらに取引連絡が丁寧かつ迅速だったことを思い出し、交渉すればなんとかなるんじゃないかと思いました。そこで、まず電話をかけました。しかし、コールできるものの電話には出てこず。「やっぱりダメか…」。
しかしその後、一筋の光が見えました。食事や風呂から戻ってみると、電話にその相手からの着信履歴が残っていたのです。すぐに折り返そうと思いましたが、すでに深夜0時をまわっていたので、次の日にかけ直すことにしました。
明くる日、電話をかける前に、やりとりのシミュレーションをしてみました。いきなり「偽物じゃねーかゴルァ!」と脅しては、その場で切られて着信拒否されかねない。目的はくやしさをぶちまけるんじゃなく、返品・返金を成立させること。そのためには相手を警戒させず穏便に、だけど応じないと自分の立場が危うくなることを意識させること。
そう考えながら電話すると2コール目でつながりました。以下、電話での会話の抜粋です。
「もしもし、●●さんでしょうか」
「はい、そうですが」(←発音が明らかに中国人)
「Yahoo!オークションであなたから△△を落札した○○です」
「えーと、あ、はいはい。どうも」
「先日はどうもありがとうございました、商品が無事届きました」
「はい、どうも」
「で、早速試した見たんですが、ちょっと音がおかしいんですよ。ちゃんと音が出るんだけど、変な感じで。で、詳しい友達に聞いてみたら、これは日本で売られている物じゃないないね、って言われたんです」(←もちろん作り話)
「はい、そうですか」
「でね、その友達に聞いたら、これを日本のオークションで売ったり買ったりしたら、まずいことになるかもしれないらしいんですよ、警察とかが出てきたりして」
「………」
「なので、△△をお返ししますので、代金を返してもらえないかなと思いまして、電話させていただいたんですよ。そうすれば何事もなく済むと思うので。どうですかね?」
「…わかりました、△△を送ってください。あと銀行の口座教えてください。振り込みます」
「それでね、●●さんは□□に住んでますよね。今日、ちょうどそっちの方に向かう用事があるので、よかったら今日会ってもらえませんか?」(←そんな用事なんてない)
「えっ…?振り込みますよ、大丈夫です」
「時間はとらせませんから。●●さんはオークションのやりとりも丁寧で感謝しているんですよ、だからお礼もいいたいので、ぜひお願いします!」
「何時頃ですか?」
「じゃあ、3時間後でどうでしょう?」
「えっと、わかりました。いいです」
「では、駅で会いましょう。一番近い駅はどこですか?」
「××駅です」
「じゃあ、着いたら電話します。すみません、お時間いただいて。ありがとうございます」
「わかりました、では」
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■ポイント
・脅して相手を警戒させない。あくまで下手(したて)に出る。
・自分はよく知らないふりをする。詳しい友達がいることにする。
・直接「偽物」とは言わない。「ちょっとおかしい」などやんわりした表現を使う。
・放っておいたら警察沙汰になり、立場が危うくなることをさりげなく言う。
・宅配便で返品しても、返金が振り込まれる保証がないので、できるだけ早く直接会ってやりとりをする。
・直接相手の家に行っては危険なので、人気の多い場所で会う。
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運が良かったのが、相手がよく話を聞き、ワルではなかったこと、そして割と近所(電車で1時間半くらい)に住んでいたこと。これは本当にツキがあったと思います。
出かける前に、その偽造品とともにオークションの画面を印刷して持っていきました。返金金額の証拠とするためです。
早速、指定の場所まで行くと、30代前後のいかにも中国人で人の良さそうな男性がいました。本人曰く大学の学生だそうで。ややたどたどしいけど、日本語もそれなりにしゃべれました。
人気のある場所を選んで、まずは商品を渡しました。ここでも「偽物」とは言いません。相手は包みから商品を取り出し、結構念入りにチェックしてました。そこで、それをどこで手に入れたかを聞きました。相手は、これは元々中国で生産されていて、その一部を友達が譲ってもらったもので、本物だと言ってました。その人はそれを代理で出品しているようでした。おそらく本人は信じ切っているのでしょう。悪気はなく、出品を代理することで儲けの一部をもらっているのかと思います。
ただ、オークションで落札した人から「偽物じゃないか」とよく連絡が来るそうです。本人も出品するのが少しイヤになってきたとこぼしてました。
おそらく偽造品を作っている黒幕がリスクを被って直接オークションで出品することはなく、こうした留学生らを使っているのかと思います。そう考えると、偽造品を掴まされても交渉次第で返金できる可能性も低くはないかもしれません。
悪気がないとを感じたので、「同じものが日本で売られているので、中国で作られた物を勝手に輸入してオークションで売ると法律にふれるから、やらない方がいい」とアドバイスしておきました。相手もこちらを信頼してくれたせいか納得してくれたようで、ほぼ全額、現金で返金してくれました。最後は握手をし「またこっちの方に来ることがあれば、遊びに来て」とまで言われてしまいました。多分もう会うことはないと思いますが…。
今回はこんな感じで、運良くチャラにすることができましたが、そうはうまくいかないこともあると思います。
などでググれば、いろいろ参考になる話がひっかかりますので、興味があればご参考に。
ちなみにこれを書いている時点で、相手のIDは「停止中」になってました。偽造品には、くれぐれもご注意を。