2008-05-10

二次創作を認める動きがあってもいい

今、二次創作を認めている企業というのは殆ど無い。一部のエロゲメーカー程度だ。しかし、今、改めて「二次創作許可を全面に押し出す企業があってもいい」と僕は思う。

今、東方がかなり人気だ。今まででも一番人気がピークになっていると思う。

実は2年前ぐらい、他の東方同人屋さんに相談を受けた事がある。

「ここまで東方は人気が出たから、これからは東方は落ちていくんでしょうかね?そうしたら来年とか東方オンリーイベントとか開かれなくなっちゃいますかね?」

僕はこう応えた。

「間違いなく、今後は更に東方は伸びるジャンルですよ。来年、再来年はもっと人気が出てます。」

僕の予言どおり、東方は年々人気を伸ばし続けている。

さて、僕は何故、今のこの状況を予想できたか。

答えは、その時も言ったのだけど

東方の作者が二次創作を全面的に認めている」

からだ。

同人作家なんて著作権無視で当たり前、みたいな見方をされているが、実は殆どの同人作家著作権を一応は気にしている。訴えられたらどうしよう、と常にビクビクしている。実際に任天堂に訴えられたサークルは小規模もいいところの弱小サークルだったし、規模は関係ないのだ。

去年、とある知り合いのサークルが某商業誌パロディ同人誌を出した。半年かけて作ったそのクオリティはかなりのもので、3000部が瞬殺、書店置きも1500部がすぐ消えた。しかしその書店に、商業の発行元から問い合わせがあったと聞いて、多分増刷すればあと数千部はいけたはずなのに、スッパリ手を引いてしまった。

そう、訴えられてはいけない。

だから大抵のサークルは、いろんなところで線引きをする。書店売りは怖いとか、増刷は怖いとか、過度な宣伝は怖いとか。

ところが東方には、そういった制約は一切無い。

となるとサークルの宣伝も他のジャンルに比べて派手になるし、目に付く。サークルの数自体も増える。東方で活動している限りは訴えられないのだから気軽に参加でき、宣伝もおおっぴらに出来、書店にも気軽に置け、増刷も売れる限りできる。

そしてニコニコ動画の登場。

何しろものすごい多くの作家が、ネット東方絵を公開している。この公開で訴えられる可能性は無いのだからものすごい数の東方絵が公開されている。素材は山ほどある。

更に動画職人自体も、東方で作品作りしていれば、訴えられたり、著作権もとの要望により消されたりする事も無い。

結果、アマチュア作家の多くが東方での活動をおおっぴらにし、多くの人の目に付き、ここまでの人気になったのだ。

相手が企業だと、ここまでの事は絶対に出来ない。

今まで多くの企業二次創作についてのインタビューを受け、理解があるところでも「二次創作に公式な許可を出す事は出来ません」と応えている。

しかし、東方の例を見ても判る通り、二次創作の全面許可というのはものすごいメリットがある。

今まで同人屋の戯言のように思われてきた「二次創作が作品人気を底上げしている」が、ここまでちゃんとした形になっている。

だから、今、改めて企業に「二次創作の許可、出してみませんか?」と問いかけたい。

  • うーん、言うのは簡単だけど結構難しいかもよ。と思ってしまう。 そもそも東方フィーバーは結構色んな要素があって今に至っていると思うし。   ○二次創作そのものを考える場合  ...

    • そのデメリットは今まで語りつくされてきて、何でもデメリットとメリットはあるわけで。 そのメリット側が今まで疑問視されてきたのだけど、実はこれだけのメリットがあったと実証...

  • http://anond.hatelabo.jp/20080510160331   「うつらうららか」や「TTT」等、大手が(恥も外聞もなく)便乗してきた今となると、また状況は違ってしまうがな。   ジャンルが死ぬか生き延びるかは...

  • そしてニコニコ動画の登場。 何しろものすごい多くの作家が、ネットで東方絵を公開している。この公開で訴えられる可能性は無いのだからものすごい数の東方絵が公開されている。...

  •          つ アンソロ      

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