2007-09-11

カッコウ

昔読んだ小説に「托卵」を書いたものがあって、題名は全然覚えていないのだけど子供心にも怖い話だった。10年以上経つのに半ばトラウマになって忘れられない。話は一言で言ってしまうと、安い労働力として町に溢れた外国人労働者たちに、"托卵"されているのではないか、という疑問を主人公が抱く話、だ。知らぬ間に得たいの知れないヒトに乗っ取られるという恐怖は、幼い子供にも理解できた。

最近ふと、この記憶と自分が熱心な宗教団体や(将来的な)移民受入、あるいは外資による企業買収に抵抗を示してしまうことには関係があるのかな、と思った。自分の場所、自分の国や会社が、自分とは相容れない人々、自分と利益を同じくしないものに支配されるという恐れ、ということが上記の抵抗感の原因ではないかと。

もちろん国を同じくすれば行動原理は同じである、というのは幻想に過ぎないのだろうし、つきつめていえば、上記の考えはきっと「自分の考えに沿った形で自分の国や自分の環境を決定したい」ということであり、「自分が支配したい」ということなのだろう。多分。

ところで件の小説は一度読んだきりで、そのインパクトからしっかり覚えていると自分では思っているのだけれど、何分古い話なので実は脳内で改竄しているかもしれない。それどころか、全て妄想だったらどうしよう。

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