エヴァはそれ以前から何かで放映されていたんだろうけれど、
今でもそこら辺はよく知らない。
そんな俺がエヴァにはまる4日間。
当時、進学校に通う俺は、
今まで好きだったサッカーをやめ、
徐々に受験勉強を始めつつも
のんびりとした高校生活を送っていた。
もちろん、彼女なんていないぞ。
当然、夏休みは特に予定がない。
せいぜい塾に行くか、プレステをやるくらいだろう。
それでも暇が苦痛じゃなかったのは、高校生だからだろうか?
そんな生活を送る中、あの4日間は衝撃的だった。
いったいなぜ?
今でもそれはよくわからない。
不気味な使徒がどこからともなくやってくる。
そして、頼りないポンコツロボにハラハラさせられる。
「使徒ってなんだろう?どこから来るんだろう?」
謎めいた設定がいっぱいあって、好奇心をくすぐるSFワールド。
かっこいい大人のリツコさんが活躍する。
活躍の場が与えられた彼らをうらやましく思ったし、
それと同時にせつなさを感じた。
まあ、正直なところアスカに軽くほれた。軽くだぞ!!
アスカが使徒にやられて、そのままストーリーが完結してしまうことだ。
もう一回アスカが見たい、そんな期待を裏切られた。
そもそも、あのアニメ全体が、希望を裏切るストーリーになっている。
主人公はシンクロ率がどんどんあがっていく才能を持った人材だ。
正義のヒーローがロボットに乗った瞬間、カスのように弱くなる。
ストーリー全体がどうやって終ったかはよく覚えてないし、
劇場版も見てない。
人類補完計画が実行されたのかよく知らないけど、
結局、地球は守れたのか?
みんな幸せになれたのか?
謎めいた設定も結局のところ謎で終ってしまった。
それについて友人といろいろ語り合ったものだし、
その情報を求めて、わざわざゲルゲットショッキングセンターをラジオで聞いてみたりもした。
そういった表に出て来ない設定に深みがあるところだとは思う。
それ以上に、ハッピーエンドで終らせてくれないところに、
俺はもう27歳のいい大人だ。
あの静かでのんびりとした生活を送っていた17歳の平和さを
もう一度感じたいと切に思う。
エヴァの中の主人公たちは平和の中で、刺激的な非日常を送っていた。
アニメなんだから、非日常なんて当たり前だとは思う。
だけど、僕が憧れているのは、エヴァの中の日常なのかもしれない。
その日常は現実の世界にも転がっている気がする・・・
現実は期待を裏切るものかもしれないけれど。
機会があったら見るかもしれないけれど、そこまで見たいとは思わない。