2007-08-03

コミケマイナージャンル、恐るるに足らず

夏コミに出る。私のジャンル夏コミで2サークルしかない。何処からどう見ても、立派なマイナージャンルである。

自分が好きでやっていることなので、マイナージャンルだからどうだとも思っていないが、どうも周りの人々の「人が少なくて大変そうだね」とか「どんなに好きなジャンルでも、こう人がいないと本を出すのはちょっと…」とか「あなた達がこのジャンルからいなくなったらおしまいです!がんばってください!」とか、そういう反応や視線になんとなく腹が立つ。別に私は売れなくて大変だと思ったこともなければ、人が少なくて寂しいと思った…ことはあるけれど、感想や反応がなくて寂しいと思ったことはない。勿論売れれば嬉しいし、感想を貰えればもっと嬉しい。しかし、そもそも誰かのために本を作っているわけではない。

下記を読んだところ、どうもマイナージャンルは誤解されている気がする。

■独り言以外の何か:http://d.hatena.ne.jp/Su-37/20070723

マイナージャンルは誰にも見られていなくはないし、大量の在庫に頭を抱えることもない。ましてや、印刷費ですらきちんと回収できる。

多少の工夫は必要だが、努力も根性も必要なければ、大変なことなど何一つない。

ご心配頂くのはありがたいが、「マイナージャンルは辛くて苦しそう」というイメージを広めるのはやめて頂きたい。

私のサークルは大体1冊あたり50部から70部を刷る。それを3回から5回のイベントで売り切る。期間にして約1年だ。

絵や話がとりたてて上手いわけではないので、マイナージャンルの物珍しさも手伝っての部数だろう。上手い人なら150部くらい刷れると思う。超大手ならもっと刷れるだろう。

そういう上手な人はメジャージャンルなら数百部から数千部、下手をしたら万で刷れるかもしれない。だからそういう人はそういうところで活動すればいい。たくさん売りさばいて、たくさん税金払って、国に還元してあげて下さい。

それでも私くらいの部数と販売サイクルのサークルは、メジャージャンルにだってゴロゴロいるだろう。こちらのジャンルは、恐らく周りからはもっと少ない部数しか刷っていないと思われているようだが、そう考えると別に違いなどないように思える。

そしてこれくらいの部数であれば、印刷費を回収することは充分可能だし、これ以下の部数でも可能だろう。心配することなど何もない。

勿論多少の工夫は必要だ。

マイナージャンルだからこそ、ネットで多くの同士に見つけてもらえるよう宣伝をするし、本の表紙やスペースもできる限り派手にする。当然イベントにはマメに参加する。要は「マイナーっぽさ」を出さなければいい。

これは、本を売るための努力ではない。マイナージャンルだからこそ、同士を募るための工夫であり、それで読者が増えたなら、次の本は前より少し良い装丁にして読者に還元できる。これは株と良く似ているが、同人誌とは元来そういうものなのだろう。

それすらせずに、「マイナージャンルだからこっそり静かにやりたい。そしてやっぱり本が売れなかった。感想もこなかった。もうやめます」とか言われても困る。同人活動に何を求めているというのだ。

マイナージャンルメジャージャンルにすることは難しい。けれど、メジャージャンルが忘れかけている、同人誌本来のおもしろさがそこにある。

そして同人誌とは、元来ニッチ市場である事を忘れてはならない。

  • 同人活動に何を求めているというのだ。 いつかはメジャーデビュー、という夢。有名になってやる、という野望、金儲けをしたい、という欲望。 どれも本来の同人活動からはかけ離れ...

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