2007-06-19

学校教師の淫行事件の報道を見ると、あの事件を思い出す

在学中に、うちの中学校で起きた事件だ。

音楽教師と男子生徒が卑猥な行為に及んでいたという事件。男子生徒は同級生であり、たまに一緒に帰ったりする友達だった。事件は音楽準備室で行為中の二人を、生徒が目撃するという最悪の形で発覚した。

一気に話は広まり、他クラス他学年の人たちが、相手の男子生徒の顔を見ようと、教室の扉の前に集まるようになった。

そんな騒ぎへの学校側の対応は、教室前の塊を教師が声を出して散らすだけという温いもので、当事者男子生徒は好奇の目とからかいに耐えられなくなり、すぐに不登校になった。

音楽教師は校内の騒ぎに巻き込まれる前に、学校から姿を消して、そのままずっと見ることはなかった。

私はと言うと、騒ぎを静観しながらも、事件の概要を聞いて、私と彼に関する二つの事柄を思い出していた。

一つは、放課後に彼と二人でいて、彼が離れたところにいた音楽教師に視線を移し「あそこ真っ黒なんだぜ」と私に耳打ちしたこと。その時の私は彼の視線の先に音楽教師がいたことは認識したが、「あそこ」が何を指しているか理解できなかった。

二つ目は、音楽教師が顧問している演劇部に彼が所属していたこと。といっても幽霊部員だったのだが、彼は音楽教師に演劇部に入らないかと誘われて入ったと言っていたのだ。その勧誘は生徒一人一人の歌唱力を試験するテスト最中に行われたという。テスト音楽準備室で教師と生徒の二人だけで行われる。私は音楽教師が個人的に彼と親しくなるきっかけを作るために、勧誘したのではないかと推測する。

そして、その音楽テストでの勧誘は私にも行われたのだ。音楽教師は私の歌唱を不自然に褒めちぎり、自身が顧問を務める演劇部に誘った。私は演技に興味はなかったので断ったが、今にして思えば、歌唱力を誉められたのは人生であの時だけだし、歌が上手いからと演劇部に誘うのは何だか辻褄が合わない。もしかしたら音楽教師は、私にもモーションをかけようとしていたのだろうか? 考えすぎなんだろうが、もしからしたらと仮定すると、他人事だったこの事件が途端に恐怖を帯びてくる。一歩間違えれば事件の当事者は私だったかもしれないのだ。

教師の誘惑と自身の煩悩がゆえに、彼の学校生活は破壊された。友人関係等を、リセットせざるをおえないところに追い込まれた。両親との関係も変質しただろう。人生の軌跡に大きく刻まれる分岐点だ。今、事件から長い月日が経つ。現在の彼にとってこの事件はどのように位置付けられてるんだろうか。「良い思い出」なのだろうか「苦い思い出」なのだろうか。

しかし、いくら考えても結局は「でも、セックスしたのは羨ましいよなぁ」と思うのが正直なところである。

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