2007-06-17

Re: http://anond.hatelabo.jp/20070616222321

もちろん「筆者が意図せずにホンネを書いてしまっていて筆者一人がそれに気付いていない」というケースも無いではない。昨今の炎上のいくつかでは、そういうケースが散見されるのも事実。その意味で、元増田の発言は別に間違ってるわけではないと思う。

でも、一番最初の書き込みにあった「多数の読みが収束する地点――A」が「当該文章を誰がどう読んでも○○――B」に等しいというのは間違いだと思う。そもそも元増田が絡まれたのはそこの問題では? 元増田のこの主張は、残念ながらありがちなweb2.0の俗流解釈だと思う。

極論に聞こえるかもしれないが、たとえば当該のテクストが「暗号」ならその話が成立しないのは自明でしょう? 多数が『訳の分からない文章に過ぎん!』と言っても筆者が『俺は○○というつもりで書いた』がその文章は所詮『誰がどう読んでも訳が分からない文章だ』と言うのが正しいかというとそうではない。

では、「暗号に等しいほど比喩を駆使した文章」ならばどう?その比喩を読み取れるような人だけに向けて筆者が書いている場合(そして比喩が理解できないような読者を、文章の理解者から排除することも目的として書いている場合)、その文章の意味が分からないと多数が言っても、それは「分からない」という解釈の正しさを全く保証しない。たとえば私がここで元増田に向かって

貴殿はid:umedamochioの尻尾だな。

と発言したとして、元増田にはその意味ニュアンスが分かるかもしれないけど、たとえば社内報にこの発言載せてもほとんどの人にはさっぱり意味が分からないでしょう。でも社内において「はてなーガンダムの基礎知識があるヤシ」を炙り出したいときに、誰かが社内報でこう書くことはあり得ないわけじゃない。そしてそれに対して「こんなの誰がどう読んでも訳分かんねーだろうよ!」と言っちゃ、それはちょっとマズいんじゃないかな。まあ社内報的には正しいかもしれないけどあくまで「表現の可能性を担保しておくために」という文脈で聞いてくれ(笑)

ただし、これは「多数の読み(A)は案外正しい(c)村上春樹」という話を否定しているのではない。言いたいのは、「多数の読みが収束する地点(A)」とは、あくまでそのテクストが「多数の人に大体どう読まれ得るか」ということに対する一つの回答(たとえばその小説が実際に何部くらい売れるだろう、とか)を指しているに過ぎず、そしてそれはテクストの本来的な価値や可能性(B)とは原則として没交渉である、という話。その限界を考えず両者をうっかり混同すると、反論が来るということで。

記事への反応 -
  • 一番腹立つのは、 当該文章を誰がどう読んでも○○なのに、 筆者が「□□のつもりで書いたんだからお前の読みは勘違い」と言い張ることである。

    • 「誰がどう読んでもそうなのに」じゃなく 「俺はそうとしか読めないのに」だろ

      • いやいや、「誰が読んでも○○なのに」って書いてるじゃないですか 一定の読みに関する共通了解ができているという設定ですよ

        • 「当該文章を誰がどう読んでも○○なのに」 ↑こんな事は実際問題確かめようがない(多数決でもして決めるとでもいうのか?その場で?匿名のここで?)のにそんな事を言ってるから...

          • 「当該文章を誰がどう読んでも○○なのに」 これはある程度確かめることは可能です。 「多数決でもして決めるとでもいうのか?その場で?匿名のここで?」 と言いますが、別に「読み...

            • もちろん筆者が意図「しない」ことを書いてしまっていて筆者一人がそれに気付いていないというケースも無いではない。昨今の炎上のいくつかでは、そういうケースが散見されるのも事...

              • まず、元増田が言及している元々(?)増田は一般的な主張であって、web2.0なるものを念頭に置いて書かれたものではありません。そもそもよく知らないですし。しかし、それは本論とは...

                • 20070617064124の言ってること、おおむね了解。で、こちらも同じように、言い方がマズくて誤解させちゃったなあ(それは全くこちらの責任で)と感じたので付記。 増田は先の書き込みで...

                  • なるほど……やっと自分が誤解していたことに気がつきました。 「文章力のない電波が多数に諭されている状態」と「少数の為のテクストがネットイナゴに食いつかれて炎上している状...

                    • 横からなんだけど、どうにもわからないので聞いてみたい。 「文章力のない電波が多数に諭されている状態」と「少数の為のテクストがネットイナゴに食いつかれて炎上している状態」...

                      • 「少数の為のテクスト」って多数にとっては電波でしかないんじゃないの? ある文章がどちらに入るかは、自分が小数派・多数派どちらに入るかでしかないんじゃないの? ネット上が...

                        • この話題が出るなんて。なんだか自己言及的で面白い。 お聞きしたいのですが、 「文章力のない電波が多数に諭されている状態」 「少数の為のテクストがネットイナゴに食いつかれ...

                          • 「文章力のない電波が多数に諭されている状態」 「少数の為のテクストがネットイナゴに食いつかれて炎上している状態」 電波が多数に発信されている状態 少数の為のテクスト...

                            • 「文章力のない電波が多数に諭されている状態」 「少数の為のテクストがネットイナゴに食いつかれて炎上している状態」 電波が多数に発信されている状態 少数の為のテクスト...

                              • 多数派は多数派で数的優位と既成概念という電波に操られていると思うよ。 寄らば大樹の影、長い物には巻かれろ、赤信号みんなで渡れば怖くない。 島国根性自己保身丸出し。

                              • あなたは http://anond.hatelabo.jp/20070617151042の質問【1】 http://anond.hatelabo.jp/20070617200219の質問【2】 のどちらの質問者ですか?文体が違いますがどちらもあなたの質問ですか? 「「少数の為...

                                • http://anond.hatelabo.jp/20070619213623、http://anond.hatelabo.jp/20070617200219、そしてhttp://anond.hatelabo.jp/20070617200219のいずれも私が書きました。 「区別することは大事ですよ」というメインの主張 こ...

                          • こんな話出てきたか? >罵倒は本来、公共の場、多くの人の前で使用すべき言葉ではありません。ただ、多少の事はコミュニケーション手段の一つとして認められています。しかし、Mar...

                        • なのでしょう?   路上でチンコを出して暴力的に相手に抜き差ししながらケツをひっぱたいている人がいたら 「おいあんたちょっといいかげんにしろよ」 と止めに入るでしょう?そし...

            • そんな大袈裟な展開は頭に無かったな……の一言。

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