2007-01-30

ちゃんとしたものが作れない理由を考えようよ

http://anond.hatelabo.jp/20070130012931

今回のあるある番組は、下請けの下請けが作っていたという。

これは俺の想像でしかないのだが、だいたい、こういう類のもので、

組織の階層構造が多段になっている場合は、

「ちゃんとしたものを作るために」プロセスが決まっている。

だから、今回も、実験を始めたりするまえに、

番組の構成としてはxxで、yyのような実験をしてzzの結果を出します。

aaさんにインタビューした結果をこのタイミングで挿入します」

というような企画書あるいは設計書が事前に関西テレビ担当者との間でレビューされていたはずだ。

おそらく、ここでは捏造は考えてなかった。うまくいくはずだったんだろう。

いや、この時点でうまくいかないと下請け側の担当者は思っていたかもしれない。

しかし衝撃的な実験結果を出すとか、決定的なインタビューを入れるという内容を企画書に盛り込まないと、

受注が成功しなかったのかもしれない。

そして、これが受注できなかったら会社がつぶれる、みたいな瀬戸際だったりすると

どうしても楽観的な計画を立ててしまう。

で、まあとにかく、途中でうまくいかないことがわかってきた。

測定するのに適切な実験をやっていなかったことが判明したとか、

そもそもそういう測定はできないんだとか、

インタビューした結果がショボかったとか、

番組制作を請け負った会社としては、「やります」といった手前やりきらないと会社の信用を落とすことになるし、

とはいっても少ない予算で受注しちまってるんで製作を2重化してリスク回避なんてのもできないし、

これがちょっと前みたいに企業軍団というか護送船団方式っぽい感じの企業間の付き合いになってたなら、

「すみません今回はミスで番組しょぼくなっちゃうんですが」「しょーがねえなあ次はがんばれよ」

みたいな感じで済ますこともできたかもしれないが、昨今の流動化の激しい世の中では、

「すみません今回はミスで番組しょぼくなっちゃうんですが」「レビューのときはできるっていってたんじゃないかお前のところでなんとかカバーできないのか。ダメだったら仕方がないけど次からはちょっと発注するの考え直すわ」

みたいな感じになる可能性も高いだろう。

そうなったら下請け側責任者にとっては成果主義が行き届いているせいで今期の評価が最悪レベルに転落する。

会社の業績もすげーさがってしまう。

それはなんとしても避けたい。そうすると下請け側責任者は現場担当者

「なんとかしろ」「なんとかしないと皆のクビが飛ぶぞ」「なんとかなるまで帰るな」

というように脅すようになる。そうなったら

「どうせクビが飛ぶんなら、もういっそのこと捏造でもいいか…」という思考にいきつくまでにそう長くはかからない。

いや、さすがに最初のうちは

「でも捏造なんて人としてやってはいけないことだ」と思っている。ところが徹夜を3日くらい続けるとおかしくなってきて

「この地獄から抜け出せるなら捏造するくらい…」という感覚になってくる。

年始に放送されたあの番組年末進行でクタクタになったスタッフがやっちゃった結果なのかもしれない。

さてこの俺の妄想シナリオではちゃんとしたものが出来なかった理由としては

「下請け構造」「系列の流動化」「それに伴うコミュニケーション不足」「成果主義」あたりが挙がるわけだが

こんな妄想ではなく、事実がどうだったかというのはぜひ解明されて欲しい。

叩くだけでは真の原因は排除されないと思う。

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