「友達関係を維持したいから告白」できなかった(多分ずっと好きだった)男友達がいたことと、あとそれとは別に、ずっと仲が悪かったけどある事件をきっかけに和解してしばらく「セックスもする友達」だったけれど結局おたがい付き合う相手が別に出来て関係が消滅した男友達がいたことを思い出した。
前者は、多分お互いずっと好きだったんだと思う。お互いに彼女・彼氏がいるときから割と仲良くて、お互い別れてフリーになってから数年間、ずっと端から見てたら付き合ってるとしか思えないような仲だった。お互いの家にも上がったし上げたし、ご飯だって作った作ってもらったし、悩みだって打ち明けあってたし、二人だけで出かけたりもしたし、クリスマスとかだって一緒にすごしていた。お互いの性格のおかげか、からりとした明るい付き合いだった。ただ告白だけが無かった。告白がなかったから、「付き合ってない」ことになってたし、互いを束縛もしなかったし、束縛はできないと思ってた。今思えば向こうは私が告白するのを待ってて、私は彼が告白するのを待ってたのだろうけれど、私は彼が告白してくれないのに悩み、距離をとった末に別に付き合う人を見つけた。その後、相談事があるというので喫茶店で一度会ったのだが、そのときに今は彼氏がいるということをさらりと伝えた。彼もさらりとそれを聞いたのだけど、言ったことは「付き合う付き合わないに関わらず、こういう悩みとかを打ち明けられる人っていうのは貴重だから」という言葉だった。彼にとって、私は取るに足らない人に違いないと私は思い込もうとしていたので、この言葉はそれなりにショックだった。ならどうして、私が別に付き合う人を見つける前に告白してくれなかったんだろうか、私が告白すればよかったんだろうか。お互いに踏み込めなかった。ヘタレ、といわれれば肯定するしかない、にがい味の思い出だ。
後者は…結局何だったのかわからない。当時は「セックスする友達」ということにしておこう、とお互いで決めていたのだけれど、これも今から考えてると多分「付き合ってる」という状態だったんだろうと思う。仲が悪かった時間が長すぎて、関係に「付き合ってる」という名前をつけるには心理的に抵抗があったのかも。でも、心の交流は十分にあったし、あまりむなしくは無かった。この関係を終わらせてからしばらく音信不通だったけれど、今は不思議に仲の良い互いの理解者になっている。円満に離婚した夫婦はこんななのだろうか、と大それた想像をしている。