2023-12-03

短歌みたいなもの

鍵付きの絵本の中で暮らす母から

師走暑中見舞い届く

僕はまだ無理やりに夕日に向け

笑うようなイデアを持つ

「どおなつを片手に指名手配犯に

べっこうして帰るね うふふ」

※べつこう…子どもがするあっかんべー

大好きなケーキも独り占めできず

あとふたつ残してる

「しね」と思う気力もなく疲れ

投げられた1円がきれいサイフの中で

頭には家出計画書隠し

「帰りたい 月よ」と零す少女 齢十七

終電優先席

カップル寝言で歌う

キリンジ エイリアンズ」

神様魔法を奪われた僕と

愛と妬みを燃料に燃え続ける街

鍵盤の左端を踏むような

マイナス一万の人生

狐がいる

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