■気づいた
あんなに体に付いて離れなかったギザギザが平坦な毎日を転がって均されていた。
昨日に置いていった破片は脱皮した皮のようにも、二度と戻らないキラキラした粒にも見えた。
明日の方向に見えるあの星は、何者にもなれなかった何かが作り出した幻か、
ポケットに忍ばせたハンカチから拵えた夢なのか。
誰も教えてくれない明日に向かって誰が道標を作ってくれる?
自分にはそんな権限や、実力や、言い訳が備わっていないのに、道標を自分で作れと叫ぶ未完成品たち。
パーツが欠けたまま今日が終わる。昨日と明日、どちらに向かえば良かったんだろうと思いながら。
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