「どうしても足が痛い」
俺はなんどとなく医者にそう訴えた。
でも医者の回答はいつも決まってた。
「骨には異常なし。どこもおかしくない」
おかしくないわけがない。俺には原因がわかっている。去年の交通事故だ。
自転車で横断歩道を渡っていた俺は、突然右折してきた軽自動車にふっとばされた。
過失は向こう9割、俺1割。全面的にあっちが悪いはずなのに、なんでかそうなった。
ふっとんだ時にはさすがに死ぬかと思ったが、幸い命に別状も無く骨折もしないですんだ。
だからその日のうちに家に帰れたんだけど、次の日起きたら足と腰がめちゃくちゃ痛い。
入院生活って言っても何をするわけでもない。ただ安静にしてるだけ。
とにかくレントゲン取ってもCT取っても原因はわからないんだ。
1ヶ月のうちに、体の大きな傷は治ったので(すり傷とか)、退院することになった。
でも本当はまだちょっと足が痛かった。歩くのには支障がないし、見ため全然問題ない。ただ痛いだけだった。
「たぶんどっか太い神経とか傷がついてるのかもしれないけど、わからないね」
足かもしれないし、もしかしたら腰かもしれない。背中かもしれない。体中に張り巡らせた神経はすべて背中の脊髄につながっている。
運が良ければいつか痛みは消えるかもしれないし、悪ければずっと痛いままかもしれない、と。
ペインクリニックか、鍼・整体等の代替医療をお勧めしたい。 あるいは「腰痛は怒りである」って本が参考になるかも。
医者の言うとおり、繊細で複雑な神経のどこかが傷ついている可能性がある。 膨大な量の神経を全部調べて微細な障害を見つける事が、果たして現代の医学にできるかどうか。 取り合え...