2010-08-05

オムライス

昼飯にオムライスを作った。俺と姉の二人分。

ふと思いついて妹のオムライスの卵の表面にケチャップハートマークを書いた。

さらに爪楊枝とチラシの切れ端で「LOVE」と記したお子様ランチの旗っぽいのを作成した。

LOVEのOを赤く塗りつぶし、旗の中央に来るようにしてあるので、パッと見は日本国国旗のようだ。

LとVとEをやや薄くしてあるので、近づけないとLOVEという単語に見えないのがポイントだ。

「ご飯だよー」と呼ぶと妹が台所にやってきて、自分の席に座って、いただきまーすと言って、

スプーンで食べ始めようとした所で止まった。オムライス凝視している。気づくのが遅い。

姉が俺をじっと見ているのを感じたが、俺は無視して自分オムライスを食べる。

タマネギを大きめに切ったのでなかなか歯ごたえがあるが、タマネギの味がちょっと自己主張しすぎかなぁと、少し反省

ちらりと姉の方を見ると、ようやく手を動かし、オムライスてっぺんに突き刺さった旗を抜いて、

目の前にもってきて、観察し始めた。

そしてLOVEに気づいた。

姉の顔はケチャップのように真っ赤になった・・・と言いたいところだが、ほんのりと頬が染まっただけだった。

爪楊枝をもって、旗をいろんな角度から眺めている。

まぁこのしょうもない企みそこそこ成功だろう、と思ったところで姉が席を立った。

冷蔵庫からケチャップを取り出すと、なぜか俺の方にやってきた。

座っている俺を見下ろすと、おもむろにケチャップの蓋を開いて、中身をオムライスにぶちまけ始めた。

何してんの!?と驚愕している間に姉は事を終えて、冷蔵庫ケチャップ仕舞い、自分の席に戻った。

あーあ、こんなにしちゃって。これじゃケチャップの味しかしないだろうがーと、

姉の幼稚な仕返しに呆れていると、姉がかけたケチャップに形があるのに気づいた。

「バカ」と書いてあった。

姉の方を見た。

姉は「バーカ」と言ってオムライスを食べ始めた。

口で言うなら、ケチャップをかける必要ないだろうに。

それから食事を終えて、姉は自分の部屋に戻り、俺は後片付けをする。

使った食器を洗い、テーブルを拭いて、細かいものをゴミ箱に捨てていると、ふと気づいた。

そういえば、あの旗はどこにいったんだ?

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん