2010-01-19

1年持たないだろうと言われていた父がまだ死なない

父が倒れて連れ込まれた病院で、黄疸が出てる、肝硬変かもしれない、このまま1年持たないだろうと言われた時、家族は口にこそ出さなかったがみんな内心喜んだ。

父はアル中で、酒を飲むと性格が変わったようになり、家の中で深夜に暴れたり騒いだりした。何度も財布を落として帰ってきた。何度も、外で飲んだ帰りに泥酔して転んで怪我して、警察の世話になった。そのたびに母が迎えにいった。そのまま病院に連れて行くと酔った状態では治療を受け付けず、せっかくつけてもらった包帯を自分でその場で解いた。

家族も最初から父に冷たかったわけではない。アルコール依存症治療も勧めたし、酒をやめてほしいと頼んだし、病院に連れて行こうとした。でも、父はそれをすべて拒否した。

母にもう酒はやめると約束した数日後、隠れて酒を飲んでいる現場を母に見つかった父は、「飲んでない」とろれつの回らない口調で言ったらしい。それで母は離婚を決意して、オレたちの家族はバラバラになった。何度も裏切られ続けた、私は大事にされていなかった、失敗だった、と母は離婚のあとオレたちに言った。

その両親の離婚から、もうすぐ1年が立つ。父はまだ死んでない。

親戚から伝え聞いた話では、会社もクビ同然。今は祖母の年金で生活しているらしい。

人間は意外としぶとい。死ね死ねと思っている人間ほど、なかなか死なないものだ。

さっさと死んでくれれば、みんな安心するのにと思う。

しかし、死んだら葬式をあげてやらなきゃいけないんだろうか。嫌だな。

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