先週は少し仕事で遅くなることが多かった。そこそこ人の多い電車を降りて、そういや冷蔵庫の中に何もなかったなーと思いだしてスーパーによって、ついでにトイレットペーパーも買うかとスーパーの二階の日用品コーナーに行ったんだ。結果としてトイレットペーパーはちょっと高かったので、向かいのドラッグストアがまだ空いてるからそっちで買うことにしたんだけど、諦めてスーパーを出ようとした時に若い男とすれ違った。あれ、とその時は思った。その男、電車で一緒だったし、駅の出入り口のところでだれかまってるみたいに壁にもたれてるのみかけたから。なんでわかるかって言うとまぁ単に目があっただけなのと自分は割と短時間では人の顔をかなり記憶しておける方だということがあるんだけれど。その時はあれー同じ方向なのかと思った程度だった。だれかまってたんじゃないのかなーとちらっと思ったりもしたけどそんなに気にも留めなかった。
向かいのドラッグストアのトイレットペーパーもちょっと高かったからやめて、もうすぐ切れそうになってる燃えるゴミの袋を持って、会計の列に並んでいるときにドラッグストアの入口に男がまた見えた。目があった。
正直ぎょっとした。男はサラリーマン風で、スーパーの袋は持ってなかった。何でもなさそうな顔をして、ドラッグストアの入口の所に立ってる。誰かを待ってる風に。もしかしたら杞憂かもしれないし、ただ単に偶然連れがドラッグストアで買い物をしているだけなのかもしれない。でももし違ったら、と思うと怖かった。家までは少し暗い道が続くし、人通りも少なくなる。ただでなくてもあまり歩きにくいハイヒールだし。
結局、ただ偶然だろうということを信じて、買い忘れがあった風を装ってもう一回スーパーに入った。商品を見るふりをしながら入口をみるとまた、男と目があった。心臓が止まるかと思った。しばらくスーパーの中を徘徊して背後に気をつけつつスーパーを出ると男はいなかった。帰り道は後ろを振り返りつつ歌を歌いながら帰ったけれども、冷汗が止まらなかった。自意識過剰といわれても構わないから、犯罪に巻き込まれたくないよ。怖い。
たまにあります。気をつけないとね。